惑わず
先日、40歳になった。
家族からは、なんだか信じられないね、と言われる。
末っ子だから、いつまでも子どものイメージがあるらしい。
自分自身はどうかといえば、35歳を過ぎた辺りから体力気力とも衰える一方で、むしろまだ40代じゃなかったのか!という感じ。
よく40年も生きてきたなあ。
なんだかもうボロボロだ。
人生100年時代といわれるけれど、みんなどうやってこんな長生きしているんだろう。
とはいえ、これまでの40年と、これからの40年の体感は、きっと全然違うのだろう。
姉の子どもたちを見ていると、子どもと自分の一年の違いに、驚かされる。
二十代、三十代は、仕事ばかりしてきた。
結果、私にとって、働くことは本当にしんどいことだと分かった。
分かったからといって、じゃあ働かないで生きていけるかというと、無理なんだけど。
これからは、一日のうち、自分らしくいられる時間を先にとっておいて、残りの時間で、必要最低限働くことを目指したい。
できるかどうかは別として、意識だけでも。
リカちゃんにもツメがあるねって教えられまじまじと見る旧き友の手
(2023.9.30日経歌壇・穂村弘選)