見出し画像

ファミレスにて

10月も後半に入ったのに、驚くほど暑い。
と思ったら、しっかり寒い日もあり、ついていくのが本当に大変。

金曜日までたどりつくと、ずっしりと体が重い。
そんな夜は、疲れているのになぜか寄り道したくなり、かといって街に繰り出す元気はないので、大抵家の近くのファミレスで、ぼんやり過ごす。

ぼーっとしながら、最近は、終の住処について考える。
小さい頃から引越しを繰り返してきたために、私には、ふるさとと呼べる場所がない。
おまけに二、三年おきに転勤する仕事についたせいで、大人になってからも根無し草だ。

それはそれでいいと思っていたけれど、最近年をとったせいか、どこかに腰を落ち着けたいと思うようになった。

できれば緑の多いところがいい。
きれいな川が流れていて、朝に夕に、河原を散歩できるような。
そのイメージは、学生時代を過ごした仙台に近いようだ。
多感な時期を過ごしたから、私にとっては、ふるさとに一番近いのかもしれない。
広瀬川の美しい河岸段丘の眺めを、最近よく思い出す。

なんだかやっぱり疲れてるのかなあ。
週末休もう。


サイドメニューばかり並べたファミレスのべとつく机で夏を見送る
(2024.10.19日経歌壇・穂村弘選)

いいなと思ったら応援しよう!