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詩が生まれるとき

平日は、朝ドラ「舞いあがれ!」を見てから出勤する。
心が晴れ晴れとするような、素敵な作品だ。

主人公の舞ちゃんの隣の家に住む幼馴染みの青年は、こどもの頃から詩に心惹かれていて、成長して就職してからも、詩を書き続けている。
仕事はとてもしんどそうだ。「干からびた犬」になっているらしい。
でも、人生の師である古本屋の主人で詩人の八木さんは、息もできないほどしんどいときに生まれるのが詩だと、励ましてくれる。

そうなんだろうなあ。
詩歌って、苦しみとか悲しみから、生まれてくるものなんだろう。
渇望から芸術が生まれる。

私が歌をつくるときは、何かを面白い!とか、かわいい!と思ったときだ。
つらいときやかなしいときは、何も考えられなくて、何も生み出せない。
それでも自分なりに、怒りや悲しみを歌にしてみたこともあるけれど、納得できるものができたためしがない。単なる愚痴が、定型におさまっただけ。

たぶん、踏み込みが足りないのだろう。
自分の悲しみや辛さのなかに、深く深く手を突っ込んでいくのが、恐ろしい。
それをつかんだら、熟れすぎた果実みたいに手の中でつぶれて、毒が体中に撒き散らされるような気がして。

向き合う勇気がほしい。

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