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クリスマスに

もうすぐ、クリスマス。
街は、クリスマス一色だ。

この時期に思い出すのは、ジョージ・オーウェルのエッセイ「クリスマスの食事」。

オーウェル曰く、クリスマスには、「羽目をはずさなければ意味がない」。
クリスマスは、「多少の苦しみはあっても底抜けに楽しみたい日」であり、七面鳥やプディング、ケーキを食べすぎて、翌朝は消化不良に苦しむ。それでいいのだ。

大事なのは健康だけではない。人といっしょに飲んだり食ったりすることで得られる友情、好意、そして精神が高揚し、物の考え方が変わることも、同じように大事なのだ。
…あとの後悔までふくめて経験の総決算を考えてみるなら、型にはまった日常の意識を打破する点では、その効果は週末の外国旅行にも劣らず有益にきまっているのだ。

ジョージ・オーウェル「一杯のおいしい紅茶」(小野寺健訳・中公文庫)

足ることを知るとか、清貧とか、そんな思想を吹き飛ばす、元気の塊のような言葉。
羽目を外すことには無縁で生きてきた私にとっては、遠い世界。私のクリスマスは、今年も淡々と過ぎていくだろう。

でも、はちきれんばかりのエネルギーを本から受け取ることで、自分の心も明るくなる。

クリスマスの本っていいな。

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