文庫本なのに単行本10冊の知恵が凝縮!『世界を変えた10冊の本』池上彰(文春文庫)
今回は、池上彰さんの『世界を変えた10冊の本』(文春文庫)を読みました!
この『世界を変えた10冊の本』は、3回読み返してます。それほど勉強になる本です。毎回新しい発見があり、わかりやすい解説でお馴染みの池上彰さんだからこそ、わかりやすくてスラスラ読み進められます。それだけでなくジャーナリストとして世界各国で取材された経験などを含めた解説があり、臨場感もあり読み応えがありました。
10冊とは、以下のものです。
『アンネの日記』
『聖書』
『コーラン』
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
『資本論』
『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
『沈黙の春』
『種の起源』
『雇用、利子および貨幣の一般理論』
『資本主義と自由』
挙げられた10冊は普通に読むと時代背景などがわからず難読なものばかりです。
しかし、本書では時代背景や本の内容、なぜその本が書かれたのか、どう影響を及ぼしたのか、という記述がしてあります。
『アンネの日記』
例えば、アンネの日記は、迫害から逃れるため部屋と部屋の間の狭い隠し部屋で隠れていた話というところまでしか知りませんでした。
でも、『アンネの日記』は、ユダヤ人の迫害と戦争だけでなく、思春期の少女の心の変化や成長が書かれています。
また、本書の解説では、どのように『アンネの日記』が生まれたのかや削除された部分の話があり勉強になりました。
原文を読む前の予習に活用できるだけでなく、この本を読んだだけで知識がつきます。
世界遺産を勉強していますが、『アンネの日記』はユネスコ世界遺産の世界の記憶にも登録されています。世界遺産のテキストにも出てきましが、こうやって触れることでまた新たな発見ができるな〜と思いました。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
あと、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、本がとても薄く30分あれば読めるだろ〜と読破したことがあります。
しかし、難解で30分じゃ読めませんでした。全く理解できなかったのです。
でも、池上さんの解説で概要や時代背景などがわかり、あの話はこういうことかと納得しました。
原文を読む前にこの本を読めば理解度が全く違うと思います。
●終わりに
本書を読んで世界の見方がなんとなく変わった気がします。
今も世の中では、戦争が起き、経済がまわり、環境問題がニュースになるなどしています。
その時に10冊の本の一部が頭で思い出されどことなく他人事だったニュースが自分ごとに感じるようになりました。
本書で出てきた『アンネの日記』は世界記憶遺産にもなっていますし、他の本も人類にとって大切な本だと思います。
10冊の本同士が繋がっていて、現代にまで影響を及ぼしていると感じました。
名著の内容を知っときたい方やこれから読まれる方にオススメです!
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