少女から目が離せない!!『ザリガニの鳴くところ』早川書房 ディーリア・オーエンズ
映画化もされ、全世界で1000万部を突破したディーリア・オーエンズの『ザリガニの鳴くところ』を読みました!
個人的にヒューマン系は苦手であんまり読めないんですが、これは面白くて一気に読んでしまいました。
「湿地の少女」と呼ばれたカイアの人生と事件が交差するミステリーなのかヒューマンなのか現在と過去が入り乱れる小説です!
どちらかというとヒューマン色が強く、なぜかその「湿地の少女」カイアに魅了されてしまいます。
話としては、1969年に事件が起こり1952年からの少女の話が始まるノースカロライナの湿地でした。家庭環境や特殊な湿地という場所など海外ドラマででてきそうな舞台ですが、生き抜く力や当時の状況など学べるところもありました。特に、家族というものの形や地域との繋がりなど考えさせられることが多くありました。
著者の「ディーリア・オーウェンズ」は、69歳で初めて執筆した小説(過去短編は3冊出している)がベストセラーとなり映画化もされています。彼女は動物学者で、動物行動学で博士号を取っているのですが、昔から小説を書きたくて書いたのが本書です。内容もよかったですが、動物学者ということだけあって湿地や動物や羽根の描写が非常に美しく、そして、リアルに書かれていました。また、動物行動と登場人物の行動と重ねてあり、人間の本能を感じられる小説でした。
ミステリーなので、誰が犯人かというのもそうですが、湿地の少女カイアの成長と絡み合う事件に注目して読んでみルト面白いです。