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#57小学校の通知表所見は保護者へのラブレター💛
前回は、小学校時代の通知表を振り返りながら、所見の意味について考えてみました。↓
簡単に言うと、
「担任が価値付け、子どもが成長したことを保護者に伝える内容」
それが所見です。
そもそも、子どもたちにどう成長してほしいのかという担任の思いがないと、所見はうまく書けません。
そうすると大切になるのは、やはり学級経営です。経営理念や経営目標が明確にあれば、その理念や目標にそって価値付けていくことができます。
学級経営につきましては、いくつかコラムありますので、時間ある方はご覧下さい。↓
ここからは、事例をもとに話をすすめます。
前回は、行事(運動会)を事例にあげました。
今回は、体育の走り幅跳び(五年生)を事例にあげます。
グループで教え合う活動を中心にめあて達成のための場を4つ程度用意した授業。
始めの記録が2m90㎝、最高記録が3m10㎝の子どもと、
はじめの記録が2mで最高記録が2m40㎝の子どもがいた時の事例を考えていきます。
「走り幅跳びの学習では、同じグループの友達と教え合う活動を通して始めの記録を大きく更新することができました。」
この所見どうですか?
これでは、正直どっちの子にも当てはまります。
つまり、顔の見えない所見です。
間違ったことを書いてはいませんが、
事実の羅列所見と勝手に呼んでいます。
では、どうしたらよいのか?
記録から、前者が運動が得意な子で、後者が苦手な子だとわかります。私の場合、得意な子に価値付けたいことは、自己の記録よりも他者意識です。
運動神経のよい子はなんとなくコツをつかみできてしまうことも多いので考える力を身に付けさせたいというねらいもあります。
自分が見つけたコツを教えた結果、友達の記録が伸びたか、または、グループの記録が伸びたのかをチェックしていきます。
また、苦手な子どもに価値付けたいことは、私の場合、工夫したら技術も向上すること、苦手なことにもあきらめずに努力することです。
もし、記録を取り上げるのであれば、跳んだ記録ではなく、延び幅を取り上げます。
始めよりも、40㎝も伸びています。
この事例でいくと、運動神経がよい子よりも伸び幅が大きいことがわかります。
このような事実が積み重なっていくと、運動が苦手だった子も運動が好きになっていきます。
一番のねらいはここにあります。
「走り幅跳びの学習では、自ら考案したリズムを口ずさみながら助走したことで、力強く踏み切ることができ、記録も大幅に更新できました。課題を解決していく中で工夫し、あきらめずに努力する力が身に付きました。」
「走り幅跳びでは、友達の跳躍を観察し、踏み切りのアドバイスをしたことで友達の記録も、グループの平均記録も伸びました。人との関り合いを通して、分析力、説明力が身に付きました。」
さて、どちらの所見かわかりますか?
前者が、苦手な子、後者が得意な子です。
苦手な子でないと、記録の大幅更新はありえません。
得意な子でないと、分析したことを説明することは難しいです。
当然ですが価値付けたいことが変われば、所見文も変わっていきます。あくまでもこれは、例文なので人や実態が変われば文も変わります。
価値付けたいことを意識して授業をしたり、子どもと生活したりしていけば、おのずと所見も見えてきます。そのためにも、学級経営を大切にしてほしいと思います。
字数を無視して書いています。書き方の事例紹介なので分かりやすくするために詳しく書いていることをご了承ください。
読む人(保護者)の心に届ける文章が、所見です。
いわば、保護者へのラブレターと言えるでしょう。
心が届けば何かが変わります。
参考になる方がいたら幸いです。