「ずるいってどういこと?」合理的配慮を通して考える多数派優位の学級経営
合理的配慮とは何か?のふりかえりです。
下のイラストは合理的配慮を説明さる際よく使われる資料です。
まずは左のイラストから。
一番背が高い子をA,真ん中をB,一番背が低い子をCとします。
3人が野球を観戦してます。
この3人の目的は野球の試合観戦です。
3人とも同じ高さの台に乗り観戦しようとしているのがわかります。
AとBは野球を観戦できますが、Cはこの台1つでは、まだ観ることができません。
Aは台がなくても、背が高いため観戦できます。
そこで、Aの台をCに渡します。
すると、Cは観戦できました。
これで3人とも、背の高さに関係なく、同じように野球観戦ができ、目的達成です。
このように、
ある目的のためにスタートラインを揃えてあげることを
合理的配慮
と呼んでいます。
今回のテーマは「環境調整」です。
では次の画像をご覧ください。
背の高さの違う3人が野球観戦してます。
高い壁ではなく、金網になったため、台がなくても背が低い子は野球観戦できています。
野球観戦という目的のためのスタートラインは最低限そろっているということができます。
ただし、厳密にいうと3人の視野は同じでないため、スタートラインは同じではありません。
例えば、左の子は背が高いため、真下の様子までよく見えますが、真ん中の子は見えません。キャッチャーがボールをとりそこない、ボールが後ろに転がってしまった場合、左の子は見えますが、真ん中の子は見えません。
すると、見えない問題が発生します。
ここで必要となるのは、環境調整です。
背の高さが違う3人が公平に観戦できるための方法は2つあります。
①視線の位置を同じにする
背の高い人でも背の低い人でも、同じ視線の位置から物を見ることができるように、環境を整えます。台を使った調整がこれにあたります。
今回のイラストでは、視野が違うため、見え方が異なります。調整することによって同じにすることができます。野球場が見えているかどうかの問題ではないのです。
②視野を広げる
背の高い人だけが物を見ることができる場合は、背の低い人にも物を見ることができるように、環境を整えます。
例えば、障害物を取り除いたり、鏡やモニターを設置したりします。
今回のイラストでは、金網にしたことで、視野が広がり、背の高さに関係なく野球観戦できるようになっています。
背が高い子にとっては、金網だろうが、壁だろうがどちらでも観戦できますが、全員が一斉に同じ視野で観戦できるようにしないと公平とはいえません。
学校の教室も同じです。
どんな環境でも集中できる子もいますが、
教室の全面に気になる掲示物やモノが置いてあると、気が散る子もいます。
だれもが落ち着いて集中できる教室環境を整えることは、
リエゾン学級経営を推進するためにも必要です。
「授業中に掲示物が気になるようじゃ、集中力足りない」
とか、
「勝手にマグネット触る方が悪い」
などと指導しているようでは、
多数派優位の学級経営をしていると言えます。
早急にパラダイムシフトしないといけません。
多数派優位の学級経営の時代はとっくに終わっています。
これからはリエゾン学級経営の時代となります。
まずは、教室環境を整えていきましょう。
以上、環境調整についてでした。
参考になる方がいたら幸いです。