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やりたかったこと4 天文部に入る

正確に言うと入ったのは天文サークル。

学生が夜に集まって星を観に行くって、とってもエモくないですか?
アニメかなにかで見て、中学生の私は憧れた。昔から光るもの、綺麗なものは好きだった。受験する高校を選ぶときに、天文部を探したけど、自分が目指していた偏差値より低いところしかなったのでやめた。今思えば、地方の高校の部活動でやる天文活動なんて、顧問の先生がよっっっぽど熱心でもない限り、学生が真夜中に「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」なんて難しいかなと思う。(古いか)

一転、大学は自分の大学に絞る必要はないし、サークルなんて無尽蔵にある。小さい大学なりに天文部がありビラを眺めていたら、仲良くなった子が県外の有名大学の天文サークルの新歓にいってみよ!と声をかけてくれた。一人で他大に行くほどの行動力がなかったので非常にありがたい話である。その子は彼氏を作りにいくついでに星見れるならいいかーくらいだった気がするけど、結局卒業するまで顔を出していた。私もあわよくば的な気持ちがなかったかというと嘘になる。ちなみにその子は最終的にサークルの先輩と結婚して幸せそうにしている。結婚式呼んでくれてありがとね!

有名大学なだけあって、会員数も多く活動も活発だった。いわゆるガチ勢も何人かいて、カメラに大金をかけている人、良い写真をとるために海外まで遠征する人、望遠鏡を自作する人、プラネタリウムを自作する人…、いろんな人がいた。
エモい気持ちになりたかっただけなので、特に望遠鏡を勉強することも、カメラにのめりこむこともなく、先輩のウンチクを聞きながら、望遠鏡で銀河を覗かせてもらったりしながら、流れ星を探しながら、星座を探しながら、気の合う人と星空の下でどうでもいい話をするのがただただ楽しかった。
星座がわかるようになると一気に夜空が賑やかになる。私はもう勝手に線が見える。正確には星座は領域らしい。ウンチク先輩が口酸っぱく言っていた。
一つ、イメージと違ったのは、夏でも寒いのでみんなかなりの厚着でおしゃれなんてしている場合ではなかった。経験のある方ならわかると思うんですが、真夜中の山は真夏でも寒い。天体観測なんて①真夜中②山の中③長時間④動かない のコンボが決まり本当に寒い。カイロが外気にやられるなんてしょっちゅう。みんなモコモコのクマみたいなシルエットで臨む。そもそも真っ暗で顔も見えないので何となくの身長と声だけで人物を判断していた。顔が見えるほど明るいところでは星は見えない。でもガンガンに冷めている体に深夜のカップラーメンは本当においしかったな。捨てるところがないから汁は全部飲まないといけない、というルールがあったので一回しかやらなかったけど。代わりにティーパックとサーモスを持っていって優雅に(凍えながらだけど)紅茶を楽しんでいました。

大学のサークルなので、天体観測以外の活動もある。飲み会、合宿、飲み会、旅行、よくわからない企画、飲み会に文化祭。有名大学のサークルなだけあって、かなり大所帯だった(というか小さい大学所属だったのでそう見えた)ので、観測以外のイベントもたくさんあった。合宿時、晴れ待ちでUNOや花札を延々とやったり、貸し切り民宿だったから露天風呂の電気を全部切らせてもらって、星見温泉をしたりもしたけど、あの星見温泉はもう二度とできない貴重な体験だったなと思う。飲み会も沢山参加した。下戸なのに。

大学生なのでそれなりに痴情のもつれなんかも経験したけど今となってはいい思い出。私は他人の感情の機微に鈍感だから、実は同期があんまり仲良くなったとかは感じ取れなかったけど、誰と誰が仲悪いとかは置いといて今でもみんなのことは大好き。みんながどう思っているかは知らない。私は性格が悪いから痴情を持ち込んだやつはみんなの中に含まれていない。


今、社会人になって、結婚もして、あの時やりたいと思ってたことに素直になって良かったなと思う。夫は星に興味がないし、星空より夜景派だから一緒に行ってくれとは言いづらいし、一人で行くのは大変だし、ある程度ガチ勢がいるコミュニティじゃないとあのクオリティの星は見られなかったと思う。暗さ=星の綺麗さと安全をどうしても天秤にかけないといけない。


星空は本当に綺麗だった。流れ星も数えるのがめんどくさいほど見た。
あれだけ見たんだから願いは言えてなくても叶えてほしい。


余談だけど、徹夜で星を見て、1限から授業行って、スナックでバイトしたりしてた。20代前半の体力はマジでバケモン。

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