私が見た親子。とても悲しい気持ちなった。
先日、息子の検査通院で病院へ行ったときに見た光景。
息子が生まれる前にも私はにとっては悲しいと感じることで、よく目に留まっていたけど、生まれてからはもっっと悲しく感じられるようになった光景。
今までとは違い、子どものいるところに足を運ぶことが増えたから、子どもとお母さんやお父さんとの関わり方をすごい近くで見ることが増えました。
「あーなんて素敵な関わり方。子どもさん、むっちゃ嬉しそう。」
「子どもさん、むっちゃお母さんのこと好きなんやろうな。」
「お父さん、溺愛やーん。素敵。」
って思う光景を見て自然とニコニコしていて、「はっ、しまった。もうマスクしていなかった・・・」って口元を引き締めることもしばしば。
でも、先日みた光景は反対の気持ちになるような光景。
「〇〇ちゃんもはやく宿題やって」「本読まないで」
この辺りでは一番大きく新しい病院へ紹介され、転院し2回目の受診日。
イオンか!!
ってツッコみたくなるくらいに人がいて、それぞれの科の待合にはおしゃれなカフェみたいに、コーヒー片手に長い待ち時間を過ごす人々。
小児科の待合は、小さい椅子と机もいくつか用意されていて、待っている子どもが色塗りしたり、ドリルしたりできるようになっています。
その空間にあるベンチで眠る息子の頭を支えながらしびれてくる右手を気にしながら見た母と小学1・2年くらいの男の子のやりとりです。
男の子は、待合にある本棚の本を読んでいました。
その横のテーブルでは女の子が宿題をしていました。お母さんはそれをみて、「〇〇ちゃんも宿題」って言ったと思います。
教育関係従事の私。
もっと大きくなった人たちが対象なのですが、宿題っていくつになっても苦しい人にとっては苦しいですね。
話は戻って・・・その男の子はとてものんびり屋っぽくて、穏やかそうな、ほわぁーって音が出てきそうな子でした。
特に何かを言い返すでもなく、本を読むけどお母さんの出してくる宿題が本を隠していき、最終的にはやむを得ず宿題を始めました。
そこからです!悲しいのが。
「もっときれいに書いて」「〇〇ちゃん、違う。見てて。こうやってこっから書くの」「ちゃんと書いてよ」
漢字のなぞり書きかな、お母さんが横からガンガン注意します。
「えー結構人たくさんいる前で、子どもにそこまで言うかーやってるんやからいいやん。本読みたいのに、宿題やってんねやからいいやーん。そんな言わんといたって。人前で恥ずかしい思いさせたらんといて。」
同じように思っていた人もいると思います。
確実に同じように思っていたのが、横のテーブルの女の子。
チラチラそちらを見ながら眉毛がハの字になっていきます。
それをみた女の子のお母さんが、大人用のベンチから女の子の前の小さい椅子へ移動してきて、一緒に塗り絵をはじめました。
なんか、気持ち分かる気がする。
そのあと、その空間にいる人が順番にそれぞれの担当医に診てもらって帰っていきます。
男の子も、一度呼ばれて入っていき、私の心には少しの間休息というか、しびれのきた右腕をどうしようかということだけに頭を使える時間がきた。
とりあえず、そっと左手で頭を支え、右手を休ませることに成功したとき、また親子が戻ってきた。
宿題の続き。
お母さんは着信があり、少し離れました。
その間も男の子は鉛筆を動かしていました。
「きったない字」
戻ってきたお母さんの第一声です。
もう、悲しくて悲しくて・・・
男の子の表情を見ることが辛くて思わず息子を抱える手に力がこもりました。
そのあと、「ここは上手に書けてるね。言った通りにしたらできたでしょ」って言ってました。
それ、褒めてんの?なんやそれ。
きっと家でもずっとこんな風に言われているんだろうな。
宿題以外の事でも言われているんだろうな。
病院に来るってことは、何かしんどいことがあるんだろうし、本当はお母さ
んに無条件に、どんな自分も愛してほしいだろうな。
頑張って病院に来ているんだから、本読むくらい楽しみがあったっていいのにな。
おうちで何か楽しいことできているかな。
悲しみと共に、色々な心配が出てきました。
仕事で大きな子どもと過ごしていますが、年齢があがっても自分の思う通りにさせたがるお母さんはおられて、面談の時なんかは教室がカオスです。
反抗できる子は、反抗していますが、その気力も奪わている子は進路までお母さん主導です。
自信や自主性など色々なものを奪われてしまっているように思います。
今回の男の子は、どんな気持ちなんだろう。
お母さんのこと好きだろうし、だから認めてほしくて、褒めてほしくて、一生懸命なんじゃないか。
考えれば考えるほど悲しくなってしまいました。
まだ息子は10カ月です。
でもこれから大きくなっていき、宿題をするような年齢になります。
その時に私がどんな風にふるまえるか。
今から楽しみです。
では、また。