ホストが埋めてくれる(2)
ゴキブリの卵が産みつけられた衣服
ダンボール、衣装ケースをかたっぱしから
45リットルの袋に叩き込む。
○○○○ムエンダーを前日に40噴射したおかげで
隠れていないGたちは死んでくれた。
廃棄は10袋程の量になった。
しかし、大変なのは部屋のクリーニングだ。
フンが溜まりきった床がまた仲間を呼ぶ。
冷蔵庫をどけた。
カサカサ、、、。
いや、ゾワゾワとコンビニ袋が鳴っていた。
目視で約200匹。
ワモンとチャバネの成虫とおこちゃまが入り乱れていた。
○○○○ムエンダーは使い果たした。
散らばるGたち。
「逃がさん」
彼女がドンキで買った徳用柔軟剤を
群れを囲むようにぶちまける。
群れにもたっぷりかける。
界面活性剤の力で、Gたちはもう死んだも同然だ
もがき苦しむGをほうきとちりとりで一気に
駆除する。
この日の夜はさすがに食欲が湧かなかった。
『ありがとう。ホント感謝だよ。』
と彼女はいうが、余計なことをされたという気持ちと恥ずかしさが入り混じり
最終的に僕にキレた。
『小姑みたいに細かくいわれんの嫌なんだよ!もうウチ来るな!来たら警察呼ぶから!』
終わった。
友情もなにもが吹き飛んだ。
仕事で認知症だったり、障がいを持つ方と関わりをもつのとは訳が違う。
対価ももらっていないのだから
これ以上この人の為にする必要はないだろう。
彼女とは縁が切れてしまったが
ホスト通いを止められなかったのは少しくやしい
愛の手帳もなくて
意思決定を他人に左右されないのならば
僕もここまで付き合いをしなかったし
彼女がいうように小姑みたくならなかった。
彼女が推して、売掛金があるホストは
二人いるらしい。
今どきの病んだ女の子が好みそうな
女形の容姿。
仕事先へ向かう乗り合いバスに乗りながら
彼女は今何を思うのだろう。
どうか早い段階で本当に自分にとって必要なこと
大切なものに気付いて欲しいと思う。