定年した中学校教師から突然の電話

どうも~ きーです。

母が亡くなってから10年ほど経ったある日、中学校の先生から電話があった。

実家にてぼ~っと過ごしていると、家の固定電話が鳴った。

父「お~い、中学校の先生だってよ」
1階の父から声掛けがあった。
ん? 先生から電話がかかってくることなんて滅多にない。

過去に1回だけ

思い出せるのは1回くらい。母が亡くなってすぐに、剣道部の講師から電話があった以来だ。

「あんなに元気だったのになあ。気を落とさずにな」との励ましだった。年賀状のやり取りをしていたので、喪中はがきを見て電話をかけてくれた。

表面的なやさしさじゃないと伝わってきて、心にしみた。べたべたした関係性じゃないので、素直にうれしかった。

電話に出ると

いぶかしがりながら電話に出た。

中学校の1学年だけ担任だった女性の先生だった。

苗字に鬼とついていたので、「鬼ちゃん」とか「鬼ばばあ」というシンプルなあだ名がついていた先生。ずっと同じ形の前髪ありボブヘアで、何十年も体系が変わらないせいか同じスカートスーツを着ていた。

とはいえ、わりと取っつきやすい人だった。ボールを投げれば、すかさず打ち返すタイプだったからだと思う。別に好かれてるわけじゃないけど、反応があるから皆な話しかけていたんだろう。

記憶のなかでさえ60歳に見えたけど、それだと当時定年していたことになる。実際は50歳くらいだったのかもしれない。

電話の趣旨は

お久しぶりの挨拶をして、ひととおり適当な思い出話をした。声ははつらつとハリがあり、キンキン声だあった。

で?

電話の趣旨は何だろう?と、先生の出方を待った。先生は膨大な卒業アルバムを手に、巻末の住所録を見て電話をしまくっているとのこと。

なんかの勧誘でもしているのだろうか。頭上にダークな灰色の雲がなだれ込んできた。

ついで先生は旦那さんが数か月前に亡くなったことを打ち明けてきた。長期的な介護を一人でした苦労話を元気な声でつらつらと話した。息子は2人いるけど、結婚したら寄り付かないようだ。

が、数か月前に旦那さんが亡くなった。することが急になくなって、心に穴があいたようだと。そんなわけで卒業生に片っ端から電話をかけまくっているとあけっぴろげに告白してきた。

なーんだ、手当たり次第に電話してるだけなんだ。私じゃなくてもいいんだ。

共感しようと思ったが

だけども、身内が亡くなった悲しみは私もよくわかる。先生の長話に付き合うかは別として、共感できるよと言いたくて私も病気で母が亡くなったことを伝えた。

すると予想外の反応がきた。

元先生「そうなの。それはいいから私の話を聞いて。とにかく 辛いし、さみしいからどこかでお茶しない?一度会っておしゃべりしましょう」
と言った。

こんなにはっきりと、どうでもいいと主張されると思わなかった。うわべだけでも悼んでくれたら、少しは先生の愚痴に付き合おうかと思ったけど一切やめると決めた。この人の話を聞く必要はない。

母と先生はけっこう話していたのになあ。まあ何十年も中学校を転々としていたら、どいつもこいつも同じに見えてもおかしくないか。

「自分の要求を通すには、相手の話をよく聞く」は有名な処世術だが・・・。学校の先生を尊敬したことはなかったけど、ますます白けた。知識をつめこんでもアウトプットできないんだなあと冷めた心で電話越しに先生を見つめた。ただ先に生まれただけの人。

勧誘疑惑

声も元気だし、あんまり悲しんでるわけじゃないのかもしれない。とにかく「直接会う」ことをしつこく要求してきた。これは、宗教かマルチ商法などの勧誘をするために電話をかけまくっている人なのかもしれない。

「会えません」の一点張りを通し、これから出かけるので切りますねとはっきり言った。

しつこかったー。

強引に切っても、しつこくかけなおされる可能性も考えた。きっぱりと同じ言葉で断り続けた。適当に急いでいる雰囲気を出して、電話を切った。

名簿を悪用する詐欺団体はいるが、先生自身が使う場合もあるんだな。勉強になりました。きっぱりとNOといえる自分を褒めてあげた。

皆さんも、しつこい勧誘にはきっぱりと断ってください。勧誘に乗りたい人はどうぞご自由に。

では~

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