読書記録2024/12/26
どちらも、この日かその前後に一気に読んだ。
赤染晶子の『乙女の密告』は、佐々木敦の『新しい小説のために』の中で、岡田利規、山下澄人、福永信……というおなじみのゼロ年代にフレッシュだった作家と並列して語られていたので、気になって借りて読んだ。
雰囲気が少女漫画らしかったこと、「アンネの日記」を引用してストーリーと重ねるような流れ、これらに感心した覚えはあるが、それ以上に何か新しさ、未知なものを感じたかというと、そんな感じはなかった。
赤染晶子は、惜しくも2017年に亡くなっていた、らしい。そんなことも知らなかった。
柴崎友香の『あらゆることは今起こる』は、素晴らしい本だった。当事者の発言であるだけではなく、どんな感覚を泳いで生きているのか、自分の言葉の役割というのに自覚的で、出来るだけの説明をするという切実さがそこにこもっていた。ある意味で、小説家であったことは、役には立つのかもしれないが、圧倒的にそうかといえば、そうでもない、それは実生活でも、この記述の場でもそう。
なにか、覚えのある経験のようにも感じるし、それは錯覚でもあるのではないかとも思う、どちらかではないのだろう。
ここ数日読書が進んでいない。
中上健次、初期作から読み進めているけど、今の所、これらが取り立てて言うほどの文章であるとはまだ思えない。
良さがわからないまま読み進めるというのも、最近では楽しめるようになってきた。