見出し画像

【在職エントリ】中小企業の広報PRが1年で取り組んだこと

こんにちは。「株式会社きなり」(以下:きなり)代表のえりなです。

広報に携わり始めてから10年が経過しました。振り返るとあっという間の10年で、広報として置かれているフェーズが変わった感覚を得ています。

今日は10年という節目を経て、広報としてデビューした中小企業での1年を振り返り【在職エントリ】を書いていこうと思います。

✍️このnoteを読んでほしい人
・中小企業の広報担当者
・組織における決裁者
・メディアリレーションズに携わっている方
・社内コミュニケーションに課題を感じている方

はじめに

はじめましての方もいらっしゃると思うので、簡単に自己紹介をさせてください。

広報PRと広告宣伝のコンサルティングサービスを提供する「株式会社きなり」(以下:きなり)代表のえりなです。

これまで中小企業2社で広報PRとIRの立ち上げを経験し、独立しました。広報に就くまでの経緯や、なぜ独立したのか?等は【自己紹介note】に書いているので、よければこちらもご覧ください!

それでは、中小企業に入社してからの1年で実際に行った仕事を振り返っていきます!


中小企業広報として1年間でやったこと

派遣で入り正社員を目指す中で「広報にならないか?」と声をかけてもらえたのが株式会社ハウスフリーダム(以下:フリーダム)でした。ここから広報のキャリアがスタートします。

①勉強会や交流会に積極的に参加

広報の役職をいただいたものの、広報が何かを全く知らないまま広報PRの立ち上げを担うことに。しかも社内には広報について聞ける人がいなかったので、まずは交流会や勉強会に積極的に参加しました。

広報に関する知識をつけていく中で、広報はフェーズや会社の規模によって役割が大きく異なることを知りました。その上で最初の1年間は「2014年のフリーダムでは、どんな広報が求められるのか・必要なのか」を考えましたね。

同時に、広報としてIR(Investor Relations:企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動)も担当することになったため、IRの勉強会にも足を運びました。

通勤時間や移動時間などは、同業他社の決算短信(決算短信:株式を証券取引所に上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールに則り決算発表時に作成・提出する、共通形式の決算速報)や、有価証券報告書(有価証券報告書:金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料)を読んでいましたね。

②簿記2級を取得

土日を使って簿記の学校に通い、簿記2級を取得しました。

IRの仕事をする上で、財務帳票や決算文章について理解できないことや何かわからない単語があまりに多く、監査法人や財務担当者との議論についていくために、とにかく早くスキルと知識をつけようと学びに時間を割きました。

③社内コミュニケーションに注力

福岡や大阪にある支店を回り、社員旅行のヒアリングをしたり、広報の仕事をシェアしたりと、とにかく社内コミュニケーションに注力しました。

最初は煙たがられることもありましたが、半年を過ぎた頃から「広報の奥野」として社内で認知してもらえるようになりました。

④飲み会に顔を出す

仕事の会議や支店を回るだけでは会社のメンバーとは仲良くなれないので、ご飯に行ったり、飲み会に顔を出したり、買い出しについて行ったりして顔を覚えてもらう努力をしました。

タイミングが重なったときは喫煙室に半日近くいることも(笑)入れ替わり立ち替わり、話したい人が喫煙室に行ったら追いかけて行き、出ようと思ったらまた話したい人が来て自分の席に戻れないなんてことも起きてましたね。

⑤SNS

新卒採用に力を入れていたこともあり、FacebookやInstagramをはじめとするSNSの開設も行いました。

SNS運用のプロをお招きしてSNS全体の使い方やコンプライアンスについてシェア。わたしは広報として、SNSを使用する意義と会社としての方向性を伝えました。

自身の住宅購入を連載記事として発信するなど主体的に業務を行い、初年度は Facebook ページの「いいね」500 件の獲得目標に対し 694 件を獲得(138.8%)、Instagram フォロワー数150 件の獲得目標に対し 283 件を獲得(188.6%)しました。

⑥メディアトレーニング

フリーダムに約6年間在籍後、2020年にPR部署の立ち上げポジションでスカウトの話をいただき、「八尾トーヨー住器株式会社」(以下:八尾トーヨー)に入社しました。

「広報部署を立ち上げてほしい」「メディア露出をしていきたい」代表から2つのリクエストをいただいていたので、ゼロからの立ち上げとメディアリレーションズ・トレーニングに注力しました。

メディアトレーニングとは、企業における取材対象者となり得る人物を対象にメディア対応スキルの習得を目的として実施する研修です。

とくに注力したのは、身だしなみや言葉を整える指導。八尾トーヨーは当時で創業47年目だったため、20〜30年在籍しているメンバーも多数いました。

メンバーが長く在籍していることは良いことですが、会社内の言語が固まったり、会社の価値観と世の中の価値観に差異が生まれてくることもあるため、メディアが求めている情報や記者(社会)に伝わる話し方、メディアに取り上げられるためのポイントなど情報発信やその後取材を受ける前に必要な準備を広報目線で共有しました。

中小企業広報として大切にしていたこと

「守りの広報」と「攻めの広報」の使い分け

「守りの広報」と「攻めの広報」の使い分けを大切にしていました。

フリーダムは「守り」、後に転職した八尾トーヨーは「攻め」の広報が中心でした。

さまざまなイベント企画やネタの切り口を考えて情報発信する「攻めの広報」をしていたと言えども、八尾トーヨーには創業50年の歴史があるため、どこまで攻めるか・守るかの見極めを重要視していました。

関係構築における「フラットさ」

代表や社員メンバーとの関係構築において大切にしていた点はフラットさ。

広報としてではなく人として、年齢や性別、立場や役職に関係なく関わる全ての人にリスペクトを持って接したいと考えています。

また時間をかけてでも現地に足を運び、直接話せる機会をつくることを大切にしていました。個々に対して地道な関係構築をすることで「この人が言っているなら聞いてあげよう」という空気をつくることが大切だと考えています。

記者さんにおいてもフラットに。ネタがある時だけ、こちらが話を聞いて欲しいときだけお誘いしていても、良い関係構築はできません。

会って話したい理由は、仲良くなりたい、どんなことを考えているのか聞きたい、お互いの考えや思いを共有したいから。ネタも何もないときでもお誘いすることはよくあります。安旨&ワインが好きな記者さんにはサイゼ飲み会に誘うし、OK会(大阪広報会)が合いそうな人にはOK会に誘います。

社内の関係づくりは“周りを巻き込む”

代表や経営陣、社内メンバーとの関係構築は、1対1で考えるのではなく、周りを巻き込んで考えていくことが大切です。

代表にフィードバックをするときには別の人にもフォローに入ってもらったり、あえて他の人からフィードバックを伝えてもらうようにしたり。その人が誰に心を開いているのか、誰の話であれば素直に聞けるのかなど、人間関係の相関図を把握するようにしています。

これからも大切にしていくこと

「人に会うために足を運ぶこと」
「社内の役回りやポジションを誰よりも理解すること」

この2つは広報PRパーソンとして、これからも大切にしていきたいです。

よく「経営陣が広報を理解してくれない」「事業部が広報の話を聞いてくれない」とお悩み相談をいただくことがありますが、広報を知らない人には広報とは何かを理解してもらわず話を進めてもうまくいきません。

また日々実務に追われている事業部からしたら広報からの協力依頼が迷惑に感じることもあるでしょう。

一人ひとりとの関係構築を大切に、自分視点ではなく、相手・会社視点に立ち、なぜあなたの力が必要なのか、なぜ広報をやるのかを伝え理解してもらうことは広報担当としてとても重要な役割だと考えています。


最後までご覧いただきありがとうございます!よければ「スキ♡」をいただけると嬉しいです!

「在職エントリ」というテーマは、スープストックトーキョー辻田さんとAsobicaのやないさんのnoteより拝借しています。ありがとうございます🙏


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?