見出し画像

監督の狂気。映画『JUNK HEAD』

こんばんは。きなこもちです。

つい先日、映画『JUNK HEAD』をようやく見ました。

あらすじ

近未来の地球。人間は不老不死となる代わりに生殖能力を失った。人類は自分たちの身の回りの世話をさせる生き物として人工生命体マリガンを生み出したが、ある日自我を持ったマリガンによるクーデターで、人類は超高層の建物の最上階に逃げるしかなかった。

それから1600年、人類は謎のウイルスによって絶滅の危機にひんしており、独自に進化を遂げたマリガンを観察し、再び生殖能力を獲得するヒントを得ようと考えた。そこで主人公は地下探索隊の募集に申し込んで、マリガンの観察に乗り出すのだが…。

えっ、本当に素人が作ったの?という出来

劇場公開されていた当時からかなり話題でしたが、『JUNK HEAD』はそもそも本職が内装業の堀貴秀がほとんど一人で作り上げた作品です。実際に劇場公開されたものについては、何名か有志で協力してくれた方もいたのですが、その前の自主上映した短編映画は本当に一人で作られたものでした。

今は本職がストップモーションアニメ製作の方の短編や制作風景をTwitterで見れちゃう時代なので、粗は探せば見つかりますが、逆に言えば私のようなただの一般の映画好きが見る分には「きっとすごい数のスタッフと一緒に作り上げたんだろうなぁ」と勘違いする程度に完成度がとても高いです。

ストーリーもセリフもぜーんぶ堀氏が一人で作ったと言うんですから、努力というよりは一種の狂気を感じる作品となっています。

ストーリーもあまり飽きさせない

私は自分で物語を書いたことがないのでわからないのですが、たぶん最初からおもしろい作品を作るのは難しいと思っています。しかし『JUNK HEAD』はおもしろいです。

設定もおもしろいですが、マリガン調査の人間とマリガン自身の間にはもはや確執などなくなってて、シンプルにマリガンたちが人間を神様!と言っちゃうあたり、ありそうだし、反応の仕方にもちょっとクスッとしました。あとマリガンもマリガンなりの宗教観がありそうなところや、地下でどうやってマリガンが生きているのか?などを字で説明せずにキャラクターの動きで見せるところも上手でした。

そして主人公が死なない体を持って幸せなはずなのに、地下世界で何度も死にそうになることでかえって生きている実感を得るところも何というか皮肉だなぁと思いつつ、本当に不老不死になったらそう感じるのかもと考えさせられました。

個人的には主人公がクノコ(マリガンが食用として養殖しているきのこのようなもの)を詐欺師に取られるところはちょっと中だるみしましたが、それ以外のところはずーっとおもしろかったですね。

おわりに

現在、アマゾンプライムビデオで配信中です。気になる方はぜひ見てみてください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集