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花を活けるように夫はプラモを飾る

11.12(Tue)

花を活けるように、夫はプラモを飾る。

「ただ、かっこいいと一緒にいたい」と彼は言う。
ほんのそれだけのことなのだ。

そこに他者が入る余地などない。

「いい大人が」
「こんなに集めてどうする」
「お金の無駄」

それらの声は、どこから聞こえていたんだろう。
どうしてわたしの耳だけに届いてたんだろう。

花ならよくって、プラモならいけないのか?

馬鹿げてる。


「美」と出合ったとき、
自分に見合うとか似合うとかに容易に振り回されがちだ。


そしてそこに目に見えるかたちであるもんだから、
人の目にもふれられる状態で、怖くなる。
何て思われるのか怖いのだ。

誰かがいいと言ったり、
値段が高いんだからいいだろうと思ってみたり。


そんなに臆病だったかな。

誰かの目よりも自分のまなざしを大切にしたい。


おしまい


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星井きなこ
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