やっぱりバスケが面白いと再び実感した、ベルテックス静岡のプレシーズンゲーム
「日傘はどこへ消えた?」
出かける前日に前もって準備していても、当日の朝は必ず何かしら小さなトラブルが起き、結局バタバタしながら家を出る。
数ヶ月ぶりの感覚を懐かしく思いながら、なかなか見つからない日傘を探し続ける、静岡県へ向かう日の朝でした。
9月7日と8日は、Bリーグ・ベルテックス静岡のプレシーズンゲームへ行ってきました。対戦相手は富山グラウジーズ。
わたしがかねてより応援している選手は、今シーズンもベルテックスのユニフォームを着てプレー。そして、その選手はかつて富山に在籍したことも。
今シーズン、ベルテックスとグラウジーズは同じB2に所属。
今回のプレシーズンゲームを含めると、少なくとも6回は対戦。
やっぱり推しの古巣との対戦は押さえておきたいなと、今回のチケットも確保したのでした。
2日間の結果は1勝1敗。
敗戦となった7日の試合ではどこか固さを感じた他、リバウンドの粘りや接戦で追いつくための仕上げという点では物足りなさもありました。
ただ、「対外試合で初勝利」となった翌日にはディフェンスの面でも改善がみられ、後半にはスリーポイントシュートも決まりだし、一時は20点近い差をつけた時間も。
追い上げを受ける場面は多くありましたが、リードは守り切りました。
この2日間、ベルテックスは新加入選手も見せ場を多く作りました。
Bリーグで初めてプレーするフィン・ディレイニー選手は両日を通して攻守で大きく活躍。
B1での経験をしっかり携えてからの地元凱旋となった増田啓介選手も、特に8日の試合ではシュート・リバウンドなどでたびたび貢献。
森高大ヘッドコーチが目指したいスタイルも見えてきて、シーズン開幕後の展開に期待を持ちたくなる2日間となりました。
その中で、ポイントガードとしての役割を担う陳岡燈生選手と鍋田隆征選手にとっては、どのようにゲームをコントロールしていくかを試すいい機会になったでしょう。
ディフェンスに若干の遅れが見えたり、気づけばファウルがかさんでしまったり、グラウジーズの日本人選手によるハードなディフェンスに苦戦する場面もあったりと、これからだな、という部分はもちろんあります。
一方で、どの状況でも積極的な姿勢は感じられ、自身の得点やアシストなどで、しっかりと活躍を見せた場面も。
エースの岡田雄三選手が出場できなかった中、ふたりで1番の役割を担い通すことができたというのは、シーズン開幕に向けて多少なりとも自信になったはずです。
シーズンが始まり、コンディションを戻せば岡田選手が主に司令塔を担うことは確実。
その中でプレータイムを確保して、どこまでふたりが存在感を高めていけるかに期待していきたいところです。
わたしは橋本尚明選手をかねてから応援しており、ベルテックスの試合に通うようになったきっかけも、昨シーズン橋本選手がベルテックスに加入したからでした。
この2日間の試合は新加入選手を多く起用しながら展開を試す意味合いも強かったこともあり、自分が前に出るよりはサポートする役回りを担っていた印象もあります。
それでも、ダイブ気味にスティールを連続で決めた場面には、「やっぱり尚さんの、この気持ちが溢れているプレーが好きなんだよな」と、快哉を叫びながらにんまりとしてしまうわたしでした。
シーズンが始まったら、レプリカユニフォームを着て、また応援させていただきます。
プレシーズンゲームはリーグ戦とは違った空気感を放っている部分はありますし、試合前はどこかのんびりした気持ちもありました。
ただ、やはりいざ試合が始まると、一つひとつの展開にドキドキ。
シュートが決まったりディフェンスがはまったりすればめちゃくちゃ嬉しいし、外れたら「あぁ……!」って思わず言っちゃう。
そしてなにより、生で観るバスケってやっぱり面白い。
シーズンオフの間に少し忘れていたかもしれない感覚を、また思い出していけた2日間でもありました。
静岡駅に向かう帰りのバスを待つ間、バス停では先ほどまでベルテックスの試合を楽しんでいた人たちと談笑をしていました。
しばらく話していると、同じようにバスを待っていた10代後半から20代前半くらいにみえる若い男性が話しかけてきました。
「この辺で何かやっていたんですか?」
ベルテックスの試合を近くの体育館でやっていたこと、1200名以上が来ていたことを話すと、「あんな山奥で……!」と少し驚きの様子。
(今回は静岡駅からバスで1時間ちょっとかかる牧之原市での開催で、会場となった体育館は山奥にありました)
わたしと談笑していた方が会場で配られたうちわを差し出すと、10月の半ばからは沼津・静岡・藤枝の3市で試合があること、ベルテックスには静岡県出身の選手も多いことなど、積極的にプロモーション。
「地元のチームっていいですよね」などと、その男性はかなり興味を持ってくれた様子で、うちわにプリントされていたQRコードからLINE登録も。
バスケが楽しいという感情がまたひとりに伝わったような気がして、何だか嬉しくなりました。
シーズンが始まったら、会場でお見かけするかもしれません。
ここまで書いていて、オフシーズンで文章を書くのをさぼっていたツケがしっかり出ているな、と痛感しました。
書きたいことはたしかにあるのに、なかなかまとまらない。
バスケ界隈には、強い爆笑や感動を誘うような素晴らしい文章をコンスタントに、そしてスピーディーに紡げる方々がたくさん。
そんなスキルが明らかに足りないわたしは、いつも皆さまの文章を、尊敬とちょっぴりの嫉妬を交えながら読んでいます。
それでも、シーズンが始まったら、自分の目で見て感じたこと、中継の映像では映しきれない部分のことなど、丁寧に綴っていければなと。
そして、少しでも読んでよかったと思っていただけるのなら、この上なくありがたいです。
わたしも、シーズン開幕に向けて準備をしていきます。