【松に日の出結び】(まつにひのでむすび)
この結びは縁起物の「松」と「日の出」の二つのモチーフを組み合わせた結びで、豊かに枝を伸ばした松の向こうから朝日が登るシーンを連想させます。
メインのモチーフである松は一年を通して青々とした葉を繁らせる常緑樹であることから、長寿を象徴する縁起物として知られています。
冬の寒い時期にも葉を落とすこともなく、雄々しく寒風を耐え忍びます。
そして後光のように仕上げられた輪っかの部分が日の出を表しています。
日本では昔から太陽は信仰の対象であり、昇っては沈む太陽に、人の一生や先祖から子孫へと繋がる生命の営みなどを重ね合わせてきました。
通常ご祝儀袋を結い上げる際、余った部分はキレイに切り揃えますが、切ることを避けて余った水引を輪にして締めたものを「日の出結び」と言います。
美しい結びを是とする水引の作法の中で「切りそろえない」というのは珍しい仕上げ方です。
昇る太陽は生命力のみなもとであること、そしてこの「日の出結び」を結うプロセス(切り揃えず余った水引を輪っかにして仕上げる)が、人生で経験してきた様々なものを切り捨てず、「幸せな時ばかりではなく、不幸も失敗も含めて人生」という強いメッセージのようにも受け取れます。
結う本数が変わるとさらに豪華になりますね。元々この結びは新たな門出を祝い、贈るご進物などに用いられてきた、見た目にもめでたい結びです。
そしてこちらの結びをSpotify のpodcast 番組「Over The Sun」でご紹介していただきました!
まだ聴いたことのない方は是非お聞きください。