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「素敵」かどうかを決めるのは、あなたじゃないのよ。

「本日はとっても素敵なゲストにお越しいただきました!!」

コミュニティFMでディレクターを始めたばかりのころ、番組をたくさんの人に聞いてもらおうと、ブログを書くことに力を入れていた。

すると、パーソナリティの女性にこう指摘された。

「素敵かどうかを決めるのは、あなたじゃないのよ。素敵って言葉、私の番組のブログには使わないで」と。

驚いた。当時20代半ばのわたし、恥ずかしながらそんなことを真剣に考えたことはなかった。

おそらく母よりも先輩であろうその女性に「それは、なぜでしょうか」と、おそるおそる聞いてみた。

「素敵ってのはね、受け取った側が感じることなの。発信する側の表現として使うものじゃないわ。具体的に描写をして、「それは素敵だなぁ」と聞いている人が感じるのは自由。それなのに、「これって素敵ですよね」って、押し付けられたら、嫌でしょ?」

はぁー、なるほどー。

正直、ことばひとつひとつの意味や背景を真剣に考えたことなんてなかった。

なんだか、背筋がピンと伸びたような気がして、それから「素敵」ということばを使わずに表現するようにした。

だけど、これがなかなか大変。

良い姿勢でいようと思っても、ついだらんとしてしまうのと一緒で、頭をキュッと常に引き締めておかないと、つい「すてき」と言ってしまいそうになる。

あのときの、ちょっと背筋が伸びる感じを、この記事を読んで思い出した。

そう。あれも、筋トレみたいなかんじだったな。

やらないからって責められるわけじゃない。

でも、怠けていると、見る人によっては「だらしないな」と思われてしまいかねない。

何より、楽な方ばかり選んでいると、いつのまにか必要なときに使えなくなってしまう。

日々の意識の積み重ねが、結果として現れる。


伝える時は「素敵」と表現しない。

またやってみよう。

この言葉好きなんだけど、それはきっと、

「食べてすぐ寝る」とか

「ご褒美のスイーツ」とか、

そういうのと一緒だ。

習慣にしたら、大変なことになってしまう。

一気にやると苦しくなるから、まずは「素敵」からやってみよう。

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