見出し画像

ヴィトゲンシュタイン

哲学者にヴィトゲンシュタインという人がいる。

僕は10代の頃からヴィトゲンシュタインの哲学が好きになり、大学時代にハマるように読んだ。最初は新書(わかりやすく解説された本)から入り、やがて『哲学探究』が大好きになる。

それから、彼の主著である『論理哲学論考』の翻訳にとりかかるのですが…

それはさておき、僕はヴィトゲンシュタインの生き方そのものが好きでした。伝記や伝記的な本が、いくつか出ていたのですが、それを読んで涙がボロボロ出るほど感動していました。好き、というか、変に共感してしまうというか…

それでいつの間にか、「僕もヴィトゲンシュタインのように哲学するのだ」「あんな風に生きるのだ」「そうなってしまうのだ…」とのめりこんで、その分、苦しくなりました。

その時、お世話になっていた恩師が「木村くんは、ヴィトゲンシュタインにならなくてもいいんですよ」だったか、そんな言葉をかけてくれて、心からホッとしたのを覚えています。

そうだよなあ、ヴィトゲンシュタインに共感したって、僕は僕で、自分の人生を生きるんだ、というようなあっけらかんとした気持ちになれたと思います。

なにかにとらわれてしまう時、そう思いこむ必要はないのだと、20代前半でジタバタしていた僕は気がついたのでした。


いいなと思ったら応援しよう!