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デジタルの効能をポジティブに捉える

製造業のサービス化が始まったのは25年前。​
要因は、「新興国の台頭とITの発達」と言われています。​日本の得意だった高付加価値な製品。しかし、長年​蓄積してきた技術力で開発した製品も、ITの発達により、容易に分析できて製品を作ることができるため、開発費に多額のコストをかけずに安く販売する。​
競争力が低下した日本企業が見出したのが、製造業のサービス化でした。​
例えば遠隔監視による故障予知サービス等は、​その一つと言われています。​
 
私も驚いたのは、2015年にはAIとIoTを利用したGEの航空機のエンジン。​
今までは、エンジン1機「いくら」で販売していたものを、「運搬した分だけ課金する 【稼働課金】」にビジネスモデルを変更したそうです。​
まだまだ日本ではIT活用と言うと、効率化、コスト削減という固定観念があると思います。(私もですが)​
 
本来、IT活用での新たなビジネスとは、経験値が優先するあまり、まったく意識していなかった異業種からの競合が出現し、対応が後手に回ってしまうケースが出ています。

新たなビジネスの台頭​

新たなビジネス事例(1)
新たなビジネス事例(2)

これらは、以前紹介したマクロ環境の「ファイブフォース分析」で見ると、​
新規参入者の脅威​、代替品の脅威​にあたります。​

ファイブフォース分析(再掲載)

■ 新規参入業者の脅威
業界の競争力が強い程、新規参入が容易になる。
新規参入は市場環境の決定要因。
【市場シェア、価格、顧客のロイヤリティ】を変更することができる。
既存企業は「反応と調整」のプレッシャー
・経済の規模          ・流通経路へのアクセス 
・製品差別化の価値       ・政府の政策
・切り替え(乗り換え)コスト  ・既存業者からの報復 
・資本要件           ・参入障壁

■ 代替品の脅威
「同じ目的で、良い性能をもち、より安い価格」がある場合、代替品の脅威
・代替品の数             ・買い手のブランドへの忠誠心
・買い手のスイッチング・コスト
・代替品の相対的価格パフォーマンス

印刷業界で言えば

■ 新規参入の脅威
従来の『伝統的な印刷会社』ビジネスモデルでの新規参入数は低いが、大資本による買収等での、グループとしての新たな印刷会社。総合力ポテンシャルの高い会社の出現。デジタル・プリンターの出現で、顧客企業の印刷の内製化もある
 
■ 代替品の脅威
デジタル技術の台頭で、既にWeb(PDFなど)にて、電話帳、地図、書籍などのコンテンツは置き換えられ、商業印刷においては、チラシ、パンフレット、雑誌も置き換えられた。新聞も同様です。
 
正しい(最適)顧客に
正しい(最適)情報を
正しい(最適)タイミングで
 
デジタルドリブン(データを使いこなす!)
※ デジタルメディア
 HP(自社サイト)、メール、SNS、ブログ、デジタルサイネージ

・MSP:マーケティング・サービス・プロバイダー
 販促支援、集客代行(テレアポ、事務局)​
 データリレーション(※結果に対してコミット)​
 
・BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング
 データプリント代行業務​
 アウトソーシング​
   (コールセンター、顧客サポート)​
 
・コンテンツ・デジタルメディア制作
 ドキュメント、Web、SNS、サイネージ とか​
 
・PSP:印刷プロバイダー
 デジタルプリント、小ロット、パーソナライズ​
 
デジタルでのアプリの開発、既存アプリを利用したインターネットを組み合わせてサービス側に移行する場合は、バリューチェーンの前側も容易に取り込む(速度も含め)ことができるので、むしろ競争力は上昇し、サービス・プロバイダーとしてのビジネスモデルの取り組みが望ましいと思われる。​


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