9月1日は「防災の日」。もしもトイレの中で被災したら・・・?あまり知られていないトイレのヒミツ
トイレのシステム開発を行う株式会社木村技研です。私たちは第二次世界大戦から3年後に創業し、さまざまな商品開発を通して日本のトイレ設備の発展に貢献し、これまでの災害体験も商品開発に活かしてまいりました。
今回は防災週間に合わせて、最新のトイレ商品開発事情や、トイレのヒミツについて知っていただき、有事の際にお役立ていただけたらと考えております。
ポイント① 水が少量しか流れない節水トイレは、配管が詰まりやすい
近年、節水型の家庭用トイレが普及してきていますが、実は1回に流す水の量が少ないと配管で滞留してしまい、逆流しやすくなっています。しっかりと下水に流すためにも有事の際は少し多めの水で流すことをおすすめします。
ポイント② 商業施設やビル内のセンサー式トイレは、停電になっても流せる
現在、商業施設やビル内にあるトイレはセンサー式がほとんどのため、停電時などはセンサーが働かずトイレの水を流すことはできません。そんな時、多くの製品では壁に押しボタンが設置されているのでそこをグッと押せば水が流れる仕組みになっています。木村技研の製品ではセンサーのすぐ近くにボタンがあり、そこを軽く押すと電気が流れて流せるようになります。
ポイント③ 最新のトイレ洗浄装置は便器に流す水量を正確にコントロールしている
多くのセンサー型水洗トイレでは、流している時間で水の量を調整している場合がほとんどです。しかし、これでは正確な水量制御が出来ず、常に過剰な水を流さないと詰まりに繋がってしまいます。
そこで最新の開発では、便器に流す水の量を計測しながらセンサー自身で微調整を行い、必要最低限の水量を正確にコントロールするシステムが開発されています。このような最新のトイレセンサー(アクアエース)では、観光地や駅のトイレなど利用者が増えれば増えるほど節水に繋がっています。
木村技研とは
1945年創業のイノベーション企業。1975年に日本で初めてトイレに電気系統を持ち込み、節水型自動洗浄装置「アクアエース」を開発。その後も、生活様式の変化や災害、時代のニーズに合わせて改良を進め、現在販売中の「アクアエース」ではクラウド制御により節水・節約効果を高めている。
また、洗浄装置だけにとどまらず、「すべての人に安心・安全なトイレを提供する」ことをコンセプトに様々なトイレ関連商品を手掛けている。
木村技研 災害支援実績
木村技研では災害時に社員を派遣し、ベンクイックの設置補助やメンテナンス、使用方法レクチャーなどを行っています。
1983年 三宅島噴火災害、島根県益田市水害でボランティア活動
1993年 北海道南西沖地震でボランティア活動
1995年 阪神淡路大震災でボランティア活動
2004年 新潟県中越地震でボランティア活動
2011年 東日本大震災でボランティア活動
2016年 熊本地震でボランティア活動
代表的な開発商品
ベンクイック
災害用簡易組立トイレ『ベンクイック』は、分離放流機能を備え、組立ては短時間ながら大量処理機能を備えています。1台で約8,000回以上の使用可能なため、これまで発生した大規模災害時にも災害発生直後から活躍しました。組立ては未経験者でも2人で約10分~15分で完了。防犯、安全性確保の観点から、上半身部分のみ囲いシートはシルエットが映る構成となっている。大企業や自治体が備蓄しているケースも増えています。
アウトラインセンサー(中日本ハイウェイエンジニアリングとの共同開発)
アウトラインセンサーは、学校、会社、商業施設、公共施設などのトイレ内の安心・安全の確保を目的とした製品です。例えば、不審者や放置物、忘れ物、病気などによる倒れ込みなどの異常にアウトラインセンサーが反応し、通報することで早期に対応することが可能となりました。
アイキャビン(中日本ハイウェイエンジニアリングとの共同開発)
アイキャビンは、ユニバーサルデザインで機能性と快適性の融合を目指した設計で、曲面スライドドアにより使いやすさと省スペースを両立させました。それにより、大きな荷物と一緒に個室へはいることができたり、車いすを利用されている方や介助をされる方も使いやすい空間を実現いたしました。