弔い
2020年7月27日
美しく揺れる白い髪。
いや、普通そこ白い服じゃないか?
黒い服を着て……これも普通は髪。
そっちの方が夏っぽい。
いやいや、普通?夏っぽさ?私は何を求めてるんだろうか。
白い髪と黒い服。
そうして現れた君。
いや……夏っぽさや、普通を必死に並べ立てて、黒い服が喪服ということを忘れようとしたるだけなのかもしれない。
夏の匂い。久しぶりにやって来た君は、それを纏って……は来なかった。
嗅いだこともない香水の匂い。
けれど、ここに来てくれた。きちんと喪服を着て。
他の親類にどう言われようが、私だけは味方だよ。
でも、それが言えない。それが言えなかったから。君は彼が死ぬまでここに来れなかった。
君は今更味方など求めていないのだろう。
それは、分かっているけど、でも、それくらいはちゃんと伝えたい。
私の贖罪。
君に伝えた。古臭い居間で皆に問い詰められてる時に。
君はそっと笑った。
「ずっと知ってたよ」
あぁ、僕の杞憂は。
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