憧れ
2020年6月28日
会ったことも無い、ましてや私の事なんて知る由もない。
そんな貴方に憧れを抱いた。
全く知らない世界で生きている貴方に出会えた時、私は雷に撃たれてしまった。
今まで見てきたどんな世界よりも貴方の世界は熱くて、真っ直ぐで、それでいて心地よかった。
多くの人が行き交う街の、人通りがやたらと多い、混雑した交差点で。
貴方は立ち止まっていた。
赤色に変わろうとする信号を見て、静かに歩き出す。
私はそれを見て、立ち止まる事は出来なかったけれど、貴方の事を忘れなかった。
私も静かに人の波の中で立ち止まれる人でありたい。
そう願わずには居られなかった。
少し見上げれば貴方の事が見える。
その位置にいることを妄想する。隣に立つことは叶わない、いや、そこに立つことは私の夢じゃない。
遠くのステージで、貴方からは見えないステージで、私も熱く、真っ直ぐに立って貴方の事を考えていたい。
真っ直ぐ前を見つめる。
その先に誰も居なかったとしても。
私は真っ直ぐ立っていたい。そうしていることが、私の夢だ。
貴方に憧れた、私の夢だ。
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