昨日歩いた道

2020年6月10日

明日の予定も書けないくらいに、どうしようもない。
ペンを取る手は止まって、がたがた、文字が震え出す。
生きているのが怖いと思ってしまえば、昨日歩いた道も途端に崩れ出す。地面は謙虚に割れ始め、その隙間から深淵に飲み込まれる。
私が深淵の中にいる時、深淵もまた私の中にいる。
それに飲み込まれる時、不思議と安心してしまう。明るい光とは違う、こここそ、私が居るべき場所。
私を誘い出しもしないが、私を拒絶しない。
そのまま全てに飲み込まれて、自分さえ忘れて落ちていくことが出来たら、どんなに楽なんだろうか。自我などなく、拘りに拘束されず、現実から目を背けることが出来たら。
あなたは私がただの馬鹿だと思っているみたいだけれど、それは分かっているし、より馬鹿になるようにしている。
注目も、期待も寄せられたくない。

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