頭がいっぱい
青空が包み込む、夜明けを忘れるような風。
徐々に開いていく距離、戻っていく言葉遣い。
悲しくなんてない、覚悟の上だったとしても
ご馳走の味を知ってしまったら覚悟も揺らぐ。
焦れったい熱よりも、身を切るような雷よりも、
手から伝わる柔らかさを覚えている。
丸い言葉を、包み込む熱を、ぬるい汗を、覚えている。
勢いだと片付けるにはあまりにもヘビー。
咲いてしまった花はもう蕾には戻らない。
摩天楼が見てる、私の小さな悪事を見ている。
ただ確かに幸せだった。
偽りだとしても嬉しいと、半分本気でそう思った。
摩天楼が見てる、私の幼さを笑ってる。
こんな事に地団駄を踏んでいるのが、なんだかアホらしくなる。