界面活性剤で混ざらないものを混ぜる|化粧品アウトプット#25
きむっちです。
#24では4種類の界面活性剤について紹介しました。
この記事では界面活性剤についてさらに深堀していきます。
この記事を読むことで界面活性剤の知識を深めることができますよ。
2つの界面活性剤のできかた
① 可溶化
界面活性剤の水溶液は水に溶けにくい物質を透明に溶かすことができます。
これを可溶化といいます。
② 乳化
水と油のように、互いに溶け合わない液体同士の分散系をエマルションといいます。
そして、エマルションの状態にすることを乳化といいます。
【エマルションとは】
ここで、「エマルション」という言葉だけだと少しわかりにくいので、例を挙げて紹介しますね。
エマルションには2つのタイプがあります。
● 水中油水滴型(O/W型)
…水相に油が分散したもの
(例)生クリーム、牛乳など
● 油中水滴型(W/O型)
…油相に水が分散したもの
(例)バター、マーガリン
ここで、ナマクリーム(O/W型)を激しくかき混ぜた場合、
バター(W/O型)に変化することもあります。
このような変化を転相(てんそう)と呼びます。
界面活性剤でも液晶を作る?
意外かもしれないですが、界面活性剤では液晶が作られるんですよ。
「液晶」という言葉を聞くとテレビを浮かべる方が多いかもしれないですが、界面活性剤でも液晶が存在します。
ここでの「液晶」とは、結晶と液体の中間的な状態のことを指します。
この液晶は界面活性剤と水が濃厚な状態でまじりあうことでできるようになり、規則的な立体構造を取ることになります。
【界面活性剤からゼオライトが作られる?】
ここからは少し化粧品のことから脱線していきます。
界面活性剤での液晶では規則正しい形のものができることを伝えましたね。実は、この性質を使って作られるものがあります。
それがゼオライト(zeolite)です。
ここで、ゼオライトとは、主にアルミ(Al)とケイ素(Si)から作られる規則正しい構造を持った化合物(酸化物)のことを指します。
ゼオライト自体、イオン交換能を持っていることがあります。そのため、洗濯するときに使う水に含まれるナトリウム分を取り除くときに使われることがあるんですよ。
少し脱線しますが、ゼオライトは工業触媒(しょくばい)でも良く使われます。
洗剤や化粧品以外でも使われると思うと、界面活性剤で作られる液晶の大切さが身に染みてわかりますね。
最後に
界面活性剤は化粧品以外にもさまざまな分野で使われいて興味深いものです。
化粧品でも界面活性剤が使われている場面多いんですよ。
次回のお知らせ
次回は油の使い方(#27)を解説していきます。
化粧品では油分が使われるので、油が大切なんですよ。
#26(泡の秘密)は図がないと説明しにくく、専門的になるので、省略します。
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もっと詳しく知りたい方はこちらの本を参考にしてみてください。
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