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ままならない荒波を登る
最近どうもうまくいかないことが多いんです。
壱岐ウルトラマラソン
マラソン自体は素晴らしかった。松江から走りに来てくれた友人は3回目の挑戦にしてようやく100kmのウルトラマラソンを完走。かっしーおめでとう!練習内容は充実していたし本人の自信もゆるぎなかった。後半を一緒に走らせてもらったけどひやひやするシーンはほとんど無かった。
問題だったのは壱岐島からの帰り。
土曜日にマラソンを走って島の民宿に後泊し、日曜朝のジェットフォイル便で博多に戻る旅程だったのだけどこの船便が欠航。低気圧の仕業を予想できてなかったんだけど詳しい人はうっすら予感していたそう。欠航を知らされたのはマラソンを走ってる最中で、港から電話がかかってきたんだった。
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それから就航未定の日曜夜のフェリーを電話予約し(走りながら)、宿や友人に帰りの便の乱れを伝え(走りながら)、やるだけやったあとで割り切って残りの距離を走った(走りながら・そりゃそうだ)。わたしからすれば日曜昼に博多港に到着する予定が日曜夜に延びたというだけで済んだけど(日曜の予定をキャンセルするなどあったものの)、山陰からわざわざ来た友人は余計に博多で延泊することになった。
帰りのフェリーの揺れは本当につらかった!
よくぞ出航してくれたという感謝はもちろんなんだけど(でないともう1泊するところだった)、さすがに船酔いしてオロロンと人間の尊厳を失いそうなところまで攻め込まれた。壱岐ウルトラ名物ひょっとこばばあにはまた来年も会いたいけれど、正直なところちょっと迷ってしまうほど強烈な旅の思い出が残った。
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OSJ KAMI100
2年続けて兵庫県の香美町に遠征。
またも低気圧にやられて往路に12時間以上(平時の150%)かかる苦労を背負うはめに。悪天候は移動前日から予想できていたことだったので前日受付の委任手続きをとり(けんちゃんありがとう)、出発時間を再検討するなど猶予はあった。西から東に流れる低気圧から逃げるように未明から出発することも考えたが、低気圧通過後に落ち着いて東進しようということで相乗りの仲間と結論を出して当日。
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関門海峡わたるだけで1時間かかったw
待つか進むかを判断するのが簡単じゃなかった。高速道路上は下関と広島辺りで通行止めが発生し、国道に下りて進路をとるか高速道路にとどまって最寄りのPAなどで解除を待つかの二択。「前日受付は委任してあるし落ち着いて東進」プランのわたしたちは後者を選んだんだけど……通行止めが一向に解除されない!しびれをきらして「めかりPA」を出発したところ(冒頭に戻る)なのだった。
あとから分かった事だけど、地域の大雨洪水警報と通行止めはリンクしているようだった。一度も高速道路からは下りずに、また大雨にもほとんど遭わずに現地に到着できたけど、どの選択肢を選んでも何かしらキズがつく遠征だったんだろうなと今になって振り返ってる。お宿に到着したのは22時前。すっかり遅くなってしまったのに美味しい食事やあたたかいお風呂、気配りが大変有り難かったです。よなごやさんありがとう。
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レース中に食べてねとおむすびも。
翌日のレースはDNFだった。
37km(2200m+)を25時間以内に3周する予定が、2周を終えたところで途中棄権。1周目終盤で腸脛靭帯に不調が出て2周目途中で完全に痛くなってしまった。熊本城マラソンでしかなったことがない腸脛靭帯炎。練習不足のひとがなるやつ。いやそんなことないか。とにかく2周目途中で完全にペースダウンしてしまったし、振り返ればその時にはもう気持ちの中でレースを終えていたんだと思う。
「チャレンジしないと新しい自分には出会えない」
「脚づくりができてなかった」
「完走ならできると思い上がっていた」
「疲労ぬきをちゃんとすべきだった?」
「去年も完走できてないくせに何を偉そうに」
「ここで頭のネジを外せるのが強いランナーだけど自分は」
「2周目でこんなに痛いのに3周目はどうなる?」
「チャレンジと無茶は紙一重」
「ドロップのあるシューズが足に合ってない?」
「1カ月後には100マイルへの挑戦が控えているのに」
とかまあこんな感じのことを、氷ノ山に夕日が沈んでからオリオン座が高く登るまでずっと繰り返していたような。それを忘れないでいようと、どこかに残してはおこうと、でもこれnoteに書いたらポエムが過ぎるなwとか、そんなことを思ってもいた。ゼッケンからチップを外したその場にはこれまでの遊びを通じて仲良くなった山陰のこーへーくんやきたひでくんがいて、しばらく後で同じく山陰のけんちゃんもゲロゲロDNFだと知った。正直言うと自分ひとりじゃないことに救われたw
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みんな来年もエントリーしようねw
2年連続で途中棄権してしまったKAMI100なんだけど、コースの紅葉は美しいし山頂から見える山々は深みがあって見ごたえがある。それにサーフェスのバリエーションも豊富で走っててすごい楽しい(ゲレンデ舗装路の下りを除けば!)。なにより九州の外にいる仲間たちとの縁が深まってきて最高に楽しいから、たぶん来年以降もエントリーに心揺れるんだろう。ちゃんとこの日に合わせて練習を積んで、満を持して香美町を再訪したい。
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交通事故
兵庫県から帰ってきた2日後の通勤途中に交通事故に遭った。
というと繋がりがあるように思わせるけど身体に痛みは残っていなかったし睡眠不足もおよそ解消していたし、これはこれで独立した不幸だろう(独立した不幸ってなんだ)。事故の概要は図の通り。保険担当が言うには過失割合3:7が妥当、相手が不備を認めれば1:9だそうだけど、もうなんでもいいので早く解決に漕ぎ着けたい。幸いなことに怪我はないが踏んだり蹴ったりだ。
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クルマは外傷が酷いんだけど幸いなことに運転に支障はないようで、通勤程度ならまあいいかと割り切って今も運転してる。工場は多忙だそうですぐに修理着工できないんだそう。それはもうしょうがfuckない。
事故に遭った丁字路に、翌日のほとんど同じ時間に差し掛かった。昨日よりは通行量が少なかったけれどハンドルを握る手は少し汗ばんだ。あらためて観察すると朝日が正面から差し込んでいろいろなものがよく見えない。車線変更してきたあの軽バンがウィンカーを出していたとしても視認できなかったかもしれない。
避けられなかった事故だったのかもしれないけど避けたかった。
荒波を登る
事故に遭った直後のことをX/Twitterにpostしていて、励ましの言葉をいただいたり毛繕いのような冗談をやり取りしたりする中で、渦中にありながら既に振り返りを始められるように成長したのかなと感じることがあった。遡って、KAMI100での遠征トラブルやレースの途中棄権も、壱岐ウルトラマラソンからの帰路の災難も、自責他責がどうこうというのは置いておいて。
トラブルへの対応を淡々と行うというだけではなくて、そりゃあもう今の気分は「わたしってすっごいかわいそう!」ではあるんだけど其処に留まらないで、非定常や理不尽を掻き分けて前進するような。荒波を登る自分の姿を俯瞰するような。「不惑」の片りんにようやく触れたような。ようなって言い過ぎなような。
この投稿はこの感覚をこそ言語化したいんだけどうまく言い表す言葉がやっぱり出てこなかったし、今朝はリュックを逆さまに背負って空いたチャックから中身をぶちまけてしまった。
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なかなかよかったです