着物屋さんの仕事 その参
前回の続き(前回記事はこちら)
こんにちは。
その弐まででなんとなく私たちの普段がお分かりいただけたでしょうか?
さて、今回は私たちの取り組みについてお話いたします。
前回の記事で、免許証のない人に車を売っているようなもの、と例えてお話しました。その免許証のない人たちに免許証を取ってもらう取り組みがまず一番に大切なことです。
そこでまず、取り組みの一つとして「着方教室」を開催しています。普段から着物を着慣れたうちの女性スタッフさんたちがお教えしますので、苦しくない着方・着崩れしない着方をお教えできるのがポイントです。
着方教室を開催し、まずは自分で着物を着れるようになっていただく。これこそが次の着物購入への一番の近道なんですよね。また、専用WEBサイトから気軽に予約できるようにもしています。そして、この着方教室の輪は連鎖していくのです。着れるようになった方がご自身のお友達やご近所の方に着方を教えてくださるのです。少しづつではありますが、連鎖の輪が広がりをみせています。
二つ目の取り組みは、着物でお出かけをする会、通称「遊ぼう会」を開催しています。着付けを習ったことのある人に多いのが、せっかく着物を自分で着れるようになっても「しばらく着なかったら忘れてしまった」ということです。習う→時間が経つ→忘れる→習う→時間が経つ→忘れる→・・・これの繰り返しです。これではもったいないということで、遊ぼう会と称して、着物を着てランチに行ったり、美術館へ行ったり、ときには京都へ旅行に行ってみたりとあちらこちらへお出かけをする機会をご提供しています。
この取り組みには多くの副産物がありまして、①着物仲間の輪が広がる ②他人のコーディネートを参考にできる ③新しい着物が欲しくなる ④スタッフがお客様と仲良くなれる といった効果も出てきます。
三つ目は、「出張キモノコンシェルジュ」です。ここ数年で多いご相談の一つに、「着物を譲り受けたがどうしたらいいか分からない」「故人の着物を処分したいが全て処分してもいいのだろうか」というのがあります。
また、「虫干しをしなきゃいけないけど大変だからやってない」といった声もチラホラとお客様から聞きます。
そこで立ち上げたサービスが、出張キモノコンシェルジュです。お客様のお宅へ伺い、着物に関するお困りごとを解決します。上記以外にも、手持ちの着物と帯、小物類をコーディネートして欲しいといったアドバイスも行います。
一点一点思い出の詰まった着物ですので、できることなら「再び晴れの舞台に立って欲しい」そんな想いを詰め込んだサービスです。このサービスは一件一件時間がかかりますので、専用WEBサイトでご予約いただいています。
このような販売とは別の取り組みも行いながら着物を普及させる工夫をしています。
“FineGraphicsさんによる写真ACからの写真”