note20日目 帯枕なしでもフォーマル着付けできます
黒留袖をボディちゃんに着せてみました。
黒留袖って、結婚式に新郎新婦のお母様やご親族が着るイメージ。ブライダル着付けの仕事では、一番メジャーな着物です。でも、普段の着物生活では、着る機会がないんですよね〜。
着付け師さんは、練習用の黒留袖をお持ちの方が多いと思います。私も以前は、練習用の留袖や振袖、打掛などの花嫁衣装まで持っていました。
阿寒湖に引っ越すときにほとんど手放して、黒留袖は上の1枚のみに。
この黒留袖は、オークションで一目惚れして手に入れたもの。
黒留袖といえば、比翼仕立て、広衿が当たり前だと思っていましたが、この留袖は比翼なし、バチ衿なんです。
※比翼仕立てとは?
比翼仕立て(ひよくじたて)あるいは比翼(ひよく)とは、2枚の着物を重ねて着ているように見せるために、着物の袖口、振り、衿、裾回し部分だけを二重に仕立てること(Wikipediaより引用)
裏を見ると白い胴裏はありますが、比翼はありませんね。共八掛(裾回し)で表の柄が続いています。
※広衿、バチ衿とは?
今の着物は、広衿仕立てのものがほとんどです。
広衿は、その名のとおり、衿の2倍の衿幅に仕立てたもので、実際に着るときに半分に折って着付けます。
衿の幅が調節でき、ふっくらとした美しい胸元になります。(七緒・大久保信子さん)
一方、「バチ衿」と呼ばれるのは、半分に折った状態で縫いとめた衿のこと。
衿幅が、背中心で5.5cm、衿先で7.5cmと先になるにつれ少しづつ広がるように仕立ててあり、三味線のバチの形に似ていることからそう呼ばれます。
着付けも簡単で、厚みがないため、涼しく感じます。(七緒・大久保信子さん)
わかりづらいですが、バチ衿です。浴衣のようにラクに着れます。
白い重ね衿を入れてみました。
留袖は、「祝いを重ねる」という意味合いから、白羽二重の下着を重ねて着るのが本来であった。これを比翼重ねというが、今日では簡略化され、付け比翼(つけびよく)を縫い付けることによって、二重に見えるように仕立てるようになった。(Wikipediaより)
ってことは、この留袖は白い着物の上に重ねて着ていた可能性もありますね。
いただきものの袋帯。
何も考えずに帯枕を当てたところで「あ、この帯、柄が逆さになるんだった!」と気づきました。
龍が下向いてますよね。
というわけで、やり直し。
ちゃんと龍の柄が上を向いてますね。この結び方は、タレ先に帯の裏側が出ます。(写真の白い無地部分)
引っ掛け結び、引き抜き結びをアレンジしてみました。
帯枕不要で帯揚げで支えています。
本当は帯締めも要らないんですけど、手先(帯を結ぶときの短い方)を長めにとってしまったので、帯締めで留めました。
イマドキのフォーマルに合わせるとこうかな。↓
こちらは、タレ先が表で柄は上向きになってます。帯枕は不要で、帯揚げで支えているだけ。
タレ先は表裏どちらでも結べますね〜。
この感じなら、帯枕なしでもフォーマルっぽいんじゃないかなと、ちょっと嬉しくなったのでした。
この帯はかなり傷んでいて、少し引っ張ると生地が避けてしまうので、お出かけのときに使うことはないと思いますが、裏繻子の帯は見るだけ、触るだけで癒されます☺️
そうそう、帯締めも一目惚れアンティークの丸ぐけ。
グルグル、渦巻き、大好き❤
これも生地が裂けそうなので、そーっと結びました。
黒留袖って、練習でしか着付けたことなかったけど、お気に入りのものたちを使うと楽しさが違いますね😆
人は人、自分は自分。
でも、今日も私は誰かのおかげで生きている。
私も誰かの役に立つといいな。
私にとっての当たり前が、誰かにとってはまだ知らないことかもしれないから。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
感動する話や、ためになる話ではないですが、こんな人もいるんだーくらいに軽く読んでいただければ嬉しいです。