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天気は雨。着物を着るのはあきらめる?

梅雨の季節、窓の外ではパラパラと雨が。
こんな日のお出かけ、着物は着ますか?それとも着るのをやめますか?
着てすごすのは自分自身なので、どちらを選んでも間違いではありません。

でも、「雨の日は着物が着れない」これはどうでしょうか?合っていますか?
これは間違い、というか、勘違いです。
使うアイテムを選べば、雨でも着物を着ることはできます。

そもそも、雨だとどうして着物を敬遠けいえんしがちなのでしょうか?
理由はいくつかあると思いますが、その中のひとつに「絹物は水濡れに弱いから」という理由があるのではないかと感じています。
絹糸は水にぬれた状態で生地がスレたりすることで、ミクロ単位で絹の繊維が切れたりするそうです。
あとは、ぬれた部分が輪染みになる可能性があるそう。

でもこれは、あくまで「絹の着物」の場合の話。
絹が水に弱いなら、水に強い、ぬれても平気な着物を選べばいいのです。

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ぬれても平気な着物ってどんな着物?

ひと口に着物と言っても、色んな素材のものがあります。

・木綿
・綿麻(綿と麻のミックス)
・麻
・ウール
・シルクコットン(絹と綿のハイブリッド)
・シルクウール(絹とウールのハイブリッド)
・化繊(ポリエステル)

これらの素材は、洗濯OKなのでぬれても平気です。

シルクコットンやシルクウールは絹糸も使われていますが、糸の割合の問題なのか、ぬれてもOKとされています。
つまり、これらの素材の着物を選べば雨にぬれても大丈夫。もし汚れても家でお手入れができます。

帯はそこまで気にしない

帯も着物と同様、綿や麻・化繊のものならぬれてもOK。

ですが、着たときの面積が着物ほど広くないので、土砂降りの強風の中を長時間外ですごすような状況(どんな状況?)でなければ、私はあまり気にせず絹の帯も使います。
その日の気分を優先させる感じです。

足元の防御は大切

雨の日に1番ぬれるのは足元。ここは強めの防御が必要です。
一番安心なのはレインブーツ。
裾を短めに着付けて足首くらいまであるショートブーツを履けば、靴下がぬれるなんてことは回避できます。

草履の場合は、カレンブロッソというメーカーが出しているような底が閉じられているもの、もしくは二枚歯の草履なら底から水が浸みる心配はありません。

通常の草履は鼻緒をすげる部分が底に出るので、数箇所の穴が開いています。
雨の日はその穴から水が浸みてしまう。

左:カレンブロッソ  右:一般的な草履

つま先はどうしても出てしまうので、つま先にカバーをつけてぬれるのを防ぐことはできます。

雨ゴートを使って体全体を覆う

私は持っていないので使ったことはありませんが、着物用のレインコートもあります。雨ゴートと呼ばれるもの。
着物の上から雨ゴートを着て、雨から着物や帯を守ります。
レインコートと使い方は同じで、屋外では雨ゴートを着て、室内に入るときは脱ぎます。

誂えやプレタ(既製品)、上下で分かれている二部式もあるそう。
完全に水から守れる安心感はありますが、水を通さない仕様なので、着ていると蒸れやすくて暑いとも聞きます。(レインコートもそうですよね)

結論、雨でも着物でお出かけはできる

雨の日に着物を着るかどうかは自分の気分で決めればいいと思います。
でも、今回の記事で説明したように、雨の日でも着物を着ることはできます。

私は、雨の日はもっぱら木綿や綿麻の着物にレインブーツで出かけています。
この格好が一番手軽で、水ぬれを気にせず過ごすことができます。
カジュアルに過ごすなら、プラスαで必要になるアイテムも少なく楽ちんです。

この日は雨予報。木綿着物に絹の帯、足元はレインブーツ。

考えてみれば、着物も洋服も、いろんな人が着て過ごすための衣服なので、雨の日に着れないわけないですよね。

色んな選択肢がある中で、自分にはどの方法の雨対策が合いそうか、イメージしてみてください。そして、ぜひ雨の日に出かけてみてください。
実際に過ごしてみると、イメージするだけでは気づかなかった新たな発見があるかもしれません。

色々と試したけど、「やっぱり雨の日は洋服がいい」と思ったとしたら、今のあなたにはそれが合っているのだと思います。
でも、「雨でも着物は着れる」ことを知っていると、また違う場面で「試してみようかな」と思えるかもしれませんよ。

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