安く、手軽に、着物を始めたいあなたへ
「着物に興味はあるけど、なんだか高そうだし、難しそう」
そんな風に思っている人、多いのではないでしょうか?
着物といえば、昔からの日本の伝統衣装。
そんな風に言われると、「なんだか格式が高くて難しそう」と思ってしまうのも無理はありません。
けれど、意外とそうでもありません。
今までの方法と、新たに出てきたアイテムを組み合わせると、洋服を楽しむこと+αくらいの時間で着物の世界を楽しむことができます。
着物は、ほんの数十年前までは普段着だったのです。
明治や大正時代には洋服の文化が入ってきて、和洋mixを楽しむ人もたくさんいたとか。
現代は、かつて着物が普段着だった頃の古い着物がリサイクルとして安価に手に入ります。
和洋mixを取り入れれば、着物・帯・紐2本があれば着物を着ることができます。
お値段にすると、1〜1.5万円ほどあればアイテムを揃えることができ、着物を楽しめるのです!
この記事では、安く手軽に着物を始めるために必要なアイテムやアイデアをまとめていきます。
ふだん着物の世界、のぞいてみて下さい。
まずは必要なアイテムを揃える
必ず必要な着物と帯は、リサイクル着物を取り扱っているお店で手に入ります。
「リサイクル着物 〇〇(住んでいる地域名)」
と検索するとヒットするお店があると思います。
実店舗で実際に見る方が試着もできてイメージが湧きやすいと思いますが、ネット上でも探すことはできます。
価格帯や取り扱うジャンルはお店によって多少差があるので、Instagramで「リサイクル着物」などで検索して好みの雰囲気や値段を見比べるといいと思います。
1.着物は素材よりも好きな柄で選ぶ
【着物の種類】
着物には季節ごとに袷・単衣・薄物と言われるものがあります。
着物を着たい季節にもよりますが、最近は暑く感じる日が多く、屋内は冷暖房が完備されていることがほとんどなので、裏地のない単衣の出番が増えています。
そして着物の柄のつき方によって、訪問着・付け下げ・小紋などに分かれます。
ふだん着なら、小紋と書いてあるものがそれに当たります。
お店やネットでも、「小紋」と表記されています。よくわからなければ、問い合わせると教えてくれますよ。
【素材】
素材は木綿や麻、ポリエステル(化繊)が家で洗えて手軽ではありますが、リサイクル着物では出ている数が少ない印象があります。
その反面、絹の着物は割とたくさん目にします。
初めての1枚を選ぶなら、素材を重視するよりも、自分が好きな柄を探すことが1番かな、と思います。
絹は家で手洗いすることは難しいですが、正直派手に何かをこぼしたり、泥汚れがついたりしなければ着るたびに洗う必要はないと感じるからです。
【サイズ】
着物を選ぶときに大切なのは身丈。着物の縦の長さのことです。
目安は、自分の身長±5cmのものが着やすいとされています。
裄という、洋服でいうと袖の長さにあたる部分も合っているとよりベストですが、和洋mixで下にシャツなどを着るなら袖の短さはカバーできるので、問題ありません。
(そもそも、袖の短さが気にならなければ、そのままで大丈夫!)
着物を選ぶときは
「好きな柄の単衣の小紋で、身丈が自分に合うサイズ」
を探すといいと思います。
リサイクルなら、数千円で探すことができます。
2.襦袢の代わりにブラウスやシャツ、タートルネックを
本来は、襦袢というものを着物の下に着ますが、今回は省略。
その代わりに、洋服のブラウスなどを代用します。おすすめは、衿のついたもの。
Tシャツのような丸衿は着れなくはありませんが、着物の下から下着がのぞいているように見えてしまうので避けた方がいいです。
スタンドカラーは衿元がすっきりするのでおすすめ。
タートルネックもシアー素材ならオシャレ感が増します。
リボンタイがついているブラウスを着て、着物の衿合わせからリボンを出すのもかわいい。
シャツやブラウスを合わせるのは、襦袢を省略できるというメリットの他に、もう1つメリットがあります。
それは、衣紋を抜かなくてもいいということ。
下に洋服を着ていれば、衣紋の抜き加減はあまり気にしなくても大丈夫。
もちろん和洋mixで衣紋を抜くのもかわいいですし、逆に抜かなくてもOK。
これは鏡に写る自分の姿を見て、好みで決めたらいいと思います。
上半身はブラウスが襦袢の代用をしてくれます。
下半身は洋服用のペチコートやステテコがあれば、はいておくと安心です。
着物の生地のよっては少し透けるものもあるので、確認して下さいね。
3.帯は半幅帯がカンタン
袋帯・名古屋帯という帯もありますが、半幅帯が1番簡単です。
半幅帯とは、浴衣のときにつける帯、と言われるとイメージがつきやすいですね。
でも、浴衣のとき専用の帯ではありません。
カジュアルなお出かけなら季節を問わず半幅帯は使ってOKなんです。
半幅帯なら帯揚げ(帯の上にチラッとのぞく布)・帯締め(帯の真ん中にある紐)・帯枕(お太鼓結びの形を整える道具)が省略できます。
柄はもちろん、素材もいろいろあります。
着た後の過ごしやすさ(楽さ)を優先したいなら、ポリエステルの半幅帯がおすすめ。
帯をしっかり締めた感じがある方がよければ、絹の半幅帯が向いています。
ポリエステルは安いものが多く、新品でも数千円で購入できます。
絹は博多織のものをよく目にします。新品なら数万円と値段が高くなりますが、リサイクルなら数千円で見つけられることも。
4.紐は最低2本あれば着付けられる
1本目は着物の裾の長さを合わせてとめる腰紐、
2本目は衿合わせを固定する胸紐です。
腰紐・胸紐と使う場所によって呼び方は違いますが、紐自体は同じもので構いません。
「着物 腰紐」で検索すればAmazonなどで3本600円程度で売られています。
どうやって着物を着ればいいか
アイテムが揃ったら、いよいよ実際に着てみます。
わかりやすい着付け方の動画の中から、いくつか紹介しますね。
【すなおさん】
細かい点までしっかりと解説してあるのは着付け講師すなおさん。
動画の時間は長いですが、その分いろんな疑問にも丁寧に答えてくれていて、楽に過ごせる着付け方のポイントが詰まっています。
チャプターが分かれているので、見たいところまで動画を進めることも簡単にできます。
この動画は長襦袢から着ていて帯は名古屋帯なので、着物を着るところから帯の手前までが参考になります。
和洋mixで半幅帯なら浴衣の着付け動画も参考になります。
浴衣の部分を着物に置き換えるだけでOKです。
【うさこまさん】
和洋mixをされていることも多く、コーディネートも参考になります。
ただ、この動画は途中から画面が左右反転してしまうので、慣れるまでは少し混乱しやすいかもしれません。
【さんかくさん 】
短時間で雰囲気だけ知りたい場合は、さんかくさんのショート動画が見やすいです。
帯結びの種類はたくさんあるので、「半幅帯 結び方」と検索してみて下さい。
自分がしてみたい結び方を見つけて、それをさらに検索するとやり方が出てきます。
ふんわり系や、粋でカッコいい系、好きな結び方を1つ決めて練習するといいかも。
着物での動き方のコツ
着物を着たからといって、特別何か意識しなければならない所作があるわけではありませんが、「知っていると役に立つかも」くらいの知識をもっていると過ごしやすいかもしれません。
【階段の上り下り】
【床への立ち座り】
洋服に比べて筒状の裾が長い分、歩幅が狭くなるので、裾さばきは少しコツをつかんでおくと過ごしやすくなります。
着物を脱いだ後のお手入れ
派手に汚れがついたりしていなければ、特別なお手入れは必要ありません。
着物・帯・紐類を全てハンガーにかけて、部屋の中で1日くらい干して風を通します。
着物はそのままハンガーにかけたままクローゼットに収納してもOKです。
そうすると、また着たいときに手に取りやすくなり、着物を着ることのハードルを下げるメリットもあります。
畳んでしまいたい場合は、こちらの動画が参考になります。
帯は収納する場所に合わせてパタパタと折り畳めばOK。
着物と一緒にハンガーにかけておくのもいいと思います。
和洋mixにするメリット
今回和洋mixにした理由は、アイテムを減らして値段を抑えるためですが、実はもう1つ理由があります。
それは、「多少着崩れても、自分が納得するほどうまく着られなくても、それっぽく見える」から。
ブラウスの上に着物と帯、足元は靴の和洋mixなら、少々衿合わせが緩んでいても、裾の長さが短くても、「あえてそれを狙っている」ように見えます。
着物も衣服なので、着方に正解なんてありません。
(もちろんフォーマルな場ではそうはいきませんが、それは洋服でも同じことですよね)
カジュアルに楽しむなら、キチッと着ても、崩して着ても、本人が好きならそれでいいと思っています。
お値段的にも、着物を着て外出するハードル的にも、和洋mixはチャレンジしやすいジャンルなんです。
「着物姿を見られるのが恥ずかしい」という気持ち
「着物を着ている姿を知っている人に見られたら、なんだか恥ずかしい」
私もふだん着物を始めた頃にはそういった気持ちがありました。
でも、意外と他人は自分のことなんてあまり見ていません。今ではそんな風に思えています。
「それでも気になる!」という場合は、どこの場所ならその気持ちがまぎれるか、を考えるといいかもしれません。
私は、近所の人や知り合いに見られることが気になったので、少し遠出をするときに着ていました。(そうすると知り合いに会う確率は減ります)
少しずつ、自分的に平気なところを探して、自分を慣らしていく感じです。
そして、着物で出かけると結構な確率で店員さんなんかに「お着物きれいですね」と褒められます。
「ありがとうございます」なんて言いながら、自己肯定感がじわじわ上がります。
そうしていくうちに、今では着物で近所のスーパーに行き食料品の買い物ができるようになっています。笑
まずは、「小さく始めてみる」が吉
ただでさえ「難しそう」なイメージがある着物。
なるべくハードルを下げて着られるように必要なアイテムやアイデアをまとめてみました。
自分的に面倒だなと感じるところは見ないフリでOK。できそうなところだけやってみる。
最初はこのマインドが肝心だと思います。
そうしてやってみて、「楽しい」と感じることができたら、少しずつアイテムを増やすも良し、違う帯結びをしてみるも良し。
「これはどうすればいいんだ?」という疑問は、YouTubeなどで検索すればたくさんの情報を手に入れることができます。
どれがいいのか迷ったら、「この人の雰囲気が好き」「説明がわかりやすい」という人を見つけておくと、参考にしやすくなりますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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