着物と私の長い歴史
着付教室を始めるまでは
「着物って、日本人なのになかなか着る機会が無いな…」
と思っていました。
でも、よくよく考えてみると、
なんだかんだと、着物と私は、長いお付き合いでした。
三歳と七歳の七五三の着物に始まり、
高校の家庭科で作った浴衣、
成人式では親子で気に入って購入してしまった2セットの振袖、
卒業式の“はいからさんが通る”の矢絣の袴セット、
結婚式では白無垢と色打掛…。
そしてしばらく無いなと思っていたら、
娘のお宮参り、七五三…。
私の母が若い頃日本舞踊をやっていて、
着物が大好きで、着物をたくさん持っていて、
着付けもできたため、
節目節目はほぼ必ずと言っていいほど着物を着せてもらっていました。
しかし、着物を着るといってもその程度でした。
が、そんな中、娘の成人式の時期がやってきました。
初めは“ママ振袖”の予定でした。
私も嬉しいし、本人も承諾していました。
でもだんだん成人式の日が近づいてくると、
「やっぱり本当に着たいのはそれじゃない…」ことを濁らせてきました。
どうやら、最初は遠慮してはっきり言えなかったみたいです。
「一生に一度だから、本人が気に入ったものを着せてあげたいなぁ」
と親心が発動してしまい、
いくつかの催事を娘と見てまわりました。
そうしたら、娘は見つけてしまいました…一蔵で…。
確かにとても可愛いし、娘の好きそうな柄でした。
そして…買ってしまいました。
でも、娘の全く曇りのない、
晴れた笑顔で成人式が迎えられて、
本当に良かったと思っています。
そしてこれが、私と着物の本当の出会いでした。
この振袖を購入したことがきっかけで、
いち瑠の着付教室に通うことになったんです。
始めてからもうすぐ一年になります。
まだまだ未熟ですが何とか一人で着物を着れるようになりました。
たためるようになりました。
知識も少しずつ増えています。
着物友達もできました。自分の着物も少しずつ…。
高い趣味ではありますが、
着物を着ていろいろお出かけしたり、
師範を目指してみたりと、
今絶賛お楽しみ中です。
それができているのも
ここでできたお友達の存在が大きいです。
一人ならもっと早く挫折していたことは間違いありません。
これからも、
もっともっと日本人に生まれてきた醍醐味を着物と共に堪能し、
着物と私の歴史を刻んでいきます。