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映画#30『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
(”Venom: Let There Be Carnage”)
監督:アンディ・サーキス
出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、ウディ・ハレルソン、スティーヴン・グレアム、ナオミ・ハリス、リード・スコット、他
製作会社:コロンビア・ピクチャーズ、マーベル・エンターテインメント、アラッド・プロダクションズ、マット・トルマック・プロダクションズ、パスカル・ピクチャーズ
配給:ソニー・ピクチャーズ・リリーシング
公開:2021年10月1日(米国)12月3日(日本)
上映時間:97分
「残虐なる庇護者」と「大殺戮」、遂に衝突。
SSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース(※))の第1作である『ヴェノム』(2018)の続編に当たる今作。
(※主にスパイダーマンのヴィランに焦点を当てた、コロンビア・ピクチャーズとマーベル・エンターテインメントの共同制作シリーズ。)
今作の目玉は何と言ってもヴィランである「カーネイジ」。前作のポストクレジットにも登場したクレタス・キャサディが、ヴェノムの身体の一部を飲み込んだことでカーネイジを宿すことに成功した。
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戦闘力は非常に高く、スパイダーマンとヴェノムが共闘して撃退まで持ち込めるのが精一杯。
シンビオートは宿主の性格によってその性質が変化する為、連続殺人犯のクレタスとの相性は絶望的なまでに抜群。カーネイジに変化する時も、その様は「変身」ではなく「融合」と言った方がしっくりくる程。
その一方で、主人公のエディとヴェノムの相性はと言うと、正直微妙。記者としての復帰も果たしマトモに暮らしたいエディと、エディとの約束で満足に腹を満たせないヴェノム。エディも(前作ほどではないが)ストレスを抱えている模様。
しかしエディとヴェノムには共通点があった。それは元恋人のアンが好きだということ。アンは前作でエディと別れた後医者のダンと交際しており、今作では既に婚約を結んでいることが発覚した。
そしてクレタスにも愛する人物がいた。通称「シュリーク」ことフランシス・バリソンである。彼女は口から超音波を放つ能力を持ち、その威力は建物を容易く破壊できるほどに凄まじい。
しかしその能力のせいで収監されており、不自由な生活を送っていた。カーネイジを宿したクレタスが救出に向かうまでは。長い時を経て再会した”二人の”愛はまさしく本物だ。
だがカーネイジはシュリークのことを忌み嫌っていた。その理由はシンビオートの弱点の一つに高音波が含まれているからである。
エディとヴェノムの性格はまるで違う。しかしヴェノムは何よりもエディのことを大切に思っていた。そして二人ともアンのことを愛している。戦闘力に関してはカーネイジの方が上だとしても、絆の硬さであればエディたちは負けない。
その一方でクレタス、カーネイジ、シュリークの関係性はメチャクチャだ。カーネイジに至ってはシュリークを殺そうとまでしている。最強と言っても過言ではない二人だが、結束力に関してはエディたちの方が上手だ。
結果としてカーネイジとクレタスは敗北、ヴェノムに食べられ最後を遂げた。エディとヴェノムもFBIなどに追われたことで隠居生活を始めた。共に砂浜で寄り添うように座り込む姿は、人間とシンビオートの境目を超えた「愛」を示していたに違いない。
まとめ
今作はもーーーとにかく非常〜〜〜にヴェノムが可愛い。エディを第一に一途に想っている所も非常に可愛い。ペットの鶏を相棒呼ばわりしているのも可愛い。大勢の前でスピーチ始めるのも可愛い。エディを励まそうと朝食作ってるのも可愛い。とにかくこの作品にヴェノムの魅力がぎっっっしりと詰まっている。前作のヤバい奴感は完全にどっか行ってしまった笑
しかしシンビオートのヤバい奴感はカーネイジがしっかりと活かしてくれた。死刑執行前に変身して大暴れするシーンは圧巻。変身の仕方は最早芸術の領域である。この気持ち悪さが非常にたまらない。
そして衝撃のポストクレジットシーンでは、隠居中のエディとヴェノムが突如MCUの世界に参入(『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』におけるドクター・ストレンジの魔法によるもの)。
TVに映ったスパイダーマンをべろりと舐めるヴェノム。転送される前にヴェノムは「シンビオートはあらゆる世界線において複数の記憶を共有している」と述べていた為、もしかすると宇宙を跨いで存在しているシンビオートの記憶を感じ取ったのかも…?(もしかすると『スパイダーマン3』のアイツという可能性も…。)
もう一つ気になるのはマリガンがどうなったのか。原作ではマリガンはクレタスと同じくシンビオートの一部を飲み込み、カーネイジをも超える最強のシンビオート「トキシン」となっている(厳密にはカーネイジの肉体の一部を飲み込むことで変身している)。
個人的にはヴェノムとトキシンが手を組むことでカーネイジを倒す展開かと思っていた。実際には叶わなかったが、最後マリガンが何かの力に目覚めるような描写があったため、次回作などでもしかするとトキシンに変身する可能性も高い。
思えば、カーネイジが割とあっさりとヴェノムに倒されていたのにも少々驚いた。シュリークの叫びで機転を得られたというのもあるが、原作の設定が設定なだけに少々もったいないと思う部分もあった。
そして現在、『ヴェノム3』も制作中という報告がされている。MCUの世界にも大きな足跡を残していった彼らがどう活躍するのか…是非とも期待したい。
それではまた、次の映画にて。