映画#75『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
いい意味でも悪い意味でも、エヴァ史上最大の問題作。
具体的にどの辺が問題作なのか……その最たる理由はやはり急な世界観の変化だろう。
アニメ版のリブートとして制作されたこの新劇場版シリーズ。
しかし今作から急激にオリジナル要素が多数追加。全力で観客を置いてけぼりにするわけだ。
「新しい要素が増えすぎて全く物語に追いつけない」といった否定的な意見が多数上がるその一方で、
「物語が全く予想できない方向へと進み始め、とても今後の展開がワクワクする」といった好印象な意見も寄せられた模様。
(私としてはそこまでエヴァにどっぷりとハマっている訳でもないので、あまり気にはならなかった)
しかし今作の特徴はそれだけに止まらない……
エヴァの主人公である碇シンジ、彼はこれまで多くの絶望を経験し乗り越えてきた。
今作でも彼は再び再び佳境に立たされるわけだが、今回に限ってはその度合いが桁違いだ。
前作のラストにて彼が行ったことが、世界の大多数の生命を奪ってしまったこと。
彼が自身の命と世界を糧に救った少女はそこにおらず、全て徒労に終わってしまったこと。
そして……絶望に暮れる彼を救った親友が、自身の選択の誤ちにより死んでしまったこと。
彼への救いの道は、果たして本当に存在するのだろうか。
正直観ていて非常〜〜〜に辛いため、私も今作に限っては観るのを少々躊躇っていたまである。
公開当時も中々の賛否両論状態だった模様。これにより総監督の庵野秀明は精神を病んでしまったとか……。
だがシリーズ最新作にして最終作である『シンエヴァ』が公開されたことで数多の伏線や謎が回収され、それに伴い評価も変わってきてはいるようだ。
(アニメ版のようにラストが有耶無耶になりそのままTHE END……みたいにならなくて良かったと思うばかりだ)
それではまた、次の映画にて。