映画#45『アメイジング・スパイダーマン』
蜘蛛の糸は再び動き出す。
サム・ライミ監督による、トビー・マグワイア主演『スパイダーマン』三部作が完結し約5年。監督にマーク・ウェブ、主演にアンドリュー・ガーフィールドを添え再始動(リブート)。それが『アメイジング・スパイダーマン』だ。
リブート作品なだけあって、サム・ライミ監督のものとはまた違ったテイストのスパイダーマン映画となっている。簡単に言えば「よりスタイリッシュになったスパイダーマン」だ。
まず大きな変更点としてスパイダーマンの外見・特徴がよりコミック寄りのものになったことだ。
前作のスパイダーマンは比較的寡黙、かつ手首から直接糸を出していた。
が、今作からは相手を煽るかのようにお喋りになり、糸はピーター自作の「ウェブシューター」なる機械から出る仕組みになっている。
原作のコミックではどちらの特徴も有していたものの、どちらかと言えば後者の特徴の方が有名だ。どっちの方が人気なのか、は正直分からないが…個人的にはペラペラ喋りまくり相手を翻弄するスパイディの方がカッコよく見える。
そしてもう一つ大きな変更点が。それは「ピーター・パーカーの心情」よりも「スパイダーマンのかっこよさ」にスポットを当てていることだ。
前作ではスパイダーマンのかっこよさもしっかりと出しつつ、恋愛やヒーローとしての悩みに苦悩するピーター・パーカーの心情をうまく表現していた(これに関しては主演のトビーの演技が非常にハマっていたことにもあるかもしれない)。
一方、今作はアクションシーンが前作より多めだ。宙を舞い、糸を巧みに操り、敵をばったばったと倒していく…まさに正義のヒーローたるスパイダーマンを、多彩なカメラワークで魅せている。その代わり、ピーターの苦悩する姿はあまり映されていなかったように思える。
スパイダーマンとしての姿はとても頼りがいがあるのに、ピーターとしての姿は逆にどこか頼りない…「ピーター・パーカー/スパイダーマン」というキャラクターを描く上で、この矛盾したかのような特徴は非常に重要となる。
正直、どっちの方が上手く描けているかと聞かれたら、やはり前作の方に軍配が上がるだろう(主演のガーフィールドの顔が良すぎて、逆にピーターとあまりマッチしていないというのもあるかもしれない)。
だがこれに関しては、どちらが良い悪い、とかではなく両作それぞれの良さとして捉えるべきだと私は思っている。そもそも監督が違うのだから、作風に違いが出るのは当然だ。
サム・ライミは「ピーター・パーカー」を主軸に、マーク・ウェブは「スパイダーマン」を主軸に、それぞれ物語を描いていると私は解釈している。
人によって好みが違うってのも、それが映画だ。
ピリピリしてないで気楽に行こう。
まとめ
サム・ライミ三部作を観た直後だからか、どこがどれだけ違うかってのはすごく分かりやすく思えた。
でもやっぱ個人的にはスパイディの疾走感のある戦いが好きなんだよなー。その点ではアメイジングは一番好きかも。
続編の『2』は個人的にスパイダーマン最高傑作だと思ってる。評価が低い?そんなん知らんな!!!
それではまた、次の映画にて。