40歳のおっさんが乙四をゼロから受験した話(2/4回)
(前回のつづき)
さて、これから乙四を受験してみようと考えている人がいるかも知れない。
そこで乙四の試験勉強について絶対に覚えておいてほしいものがある。
ネットにあふれる
『勉強しなかったけど合格できた』
は絶対に信用するな。
ネットで乙四を検索してみると、
3日ガチったら満点取れた
一夜漬けで楽勝だった
試験当日の朝に初めてテキスト開いて、会場までの電車でパラパラめくったら合格できたわ
ノー勉だったけど合格してたわ
非常に景気の良い言葉をよく見かける。
当たり前だが、だいぶ盛った発言たちである。
だから絶対に乙四の楽々合格できたは信用してはいけない。
楽に受かりそうだけど舐めると落ちる資格、それが乙四なのだ。
とりあえず断言できるが、ノー勉合格は理系東大生でも無理である。
乙四の合格判定方法
なぜ東大生でもノー勉だと無理かというと、それは乙四の合格判定方法にある。
乙四の出題範囲には
1:「危険物に関する法令」
2:「基礎的な物理・化学」
3:「危険物の性質と火災予防・消火」
の3分野がある。
そして合格するには、それぞれ6割以上の点数を取る必要がある。
全体で6割取れればOKではなく、2分野が満点でも1分野が6割を下回ると不合格なのだ。
高校レベルの物理化学の素養があれば、1,2は楽勝かもしれないが、問題は3の法令である。
3では消防法や危険物の分類、製造所などの施設の法令にかかわる問題などが出題される。
当然ながら義務教育で勉強する機会は全くない。
普段からあらゆる法令やルールに目を通すのが好きという変人もない限り、ノー勉で6割を取ることはまず不可能なのだ。
ネットの話は盛られがちな傾向にあるので、一夜漬けの話も眉に唾を付けて見るくらいでちょうどいい。
そもそもタイムアタックやっているわけじゃないので、●日以内に合格しなければダメというわけでもないし、資格証の横に勉強期間が記録されることもない。
自分なりのペースでしっかりと計画を立てて勉強することが大事ではないだろうか。
この点においても、私みたいなおっさんが受験するのはかなり厳しい。
記憶力・理解力が減退しつつあることも辛いのだが、
一番きついのは、もう何年も計画を立てて学習をするということから離れてしまっていることだと思う。
高校生や大学生ならばテストや課題を定期的にこなしているので、それに向けた勉強や計画、ペースづくりを肌感覚で身に着けている。
しかしそういった生活から離れてしまったおっさんは非常に分が悪い。
試験日から逆算して勉強計画を組み立てるという力がゼロになっているのだから。
自分が勉強できる時間は
自分が乙四試験までの1か月間に勉強に使える時間をざっと計算してみると、だいたい50時間程度になった。
平日は1日に2時間、土日は1日4時間くらいこなしてしていくのが理想だけど、コツコツ苦手な自分の特性的にかなり難しい。
うまい具合に頑張っても50時間が限界だ。
そうなると、この50時間に満たない時間を使い、合格を目指さなくてはいけない。
どう進めていったのか~最初の基本戦略~
基本戦略として、最初にざっと試験範囲を見渡すことにした。
たとえば試験の範囲の分量が1~100まであったとして、
1.2.3.4.7.9.11・12・・・96・98・100
こんなふうに、初見で理解できそうにないところはすっ飛ばし、まずは100までをやってしまうことにした。
几帳面な人ほど5とか6の部分でつまづいてしまったりして、勉強が100まで進まないまま挫折してしまったり、試験の日がやってきてしまう。
出題範囲をなんとなく把握するが一番の近道だと思う。
資格勉強を始めたものの挫折してしまうのは、妙な完璧主義に囚われてしまうことだと思う。
以前説明した通り、乙四の試験は各分野6割以上で合格できる。
言ってしまえば4割は落としてもよいのだ。
それなら全てを理解できるまで頑張って地道に進めるよりも、ざっと範囲をさらって解ける問題を増やせるようにしたほうが良いと考えた。
まずはこの考え方で乙四の勉強に取り掛かることにした。
(つづく)