「ジンジニア」の現在と未来は明るいか
初めまして。株式会社LIFULLの木村修平です。
この記事はLIFULLアドベントカレンダー3の24日目、クリスマスイブです。
仰々しいタイトルで恐縮ですが、昨今メジャーになりつつある(?)「ジンジニア」について、これまでの自身の経験や考察を殴り書いてみようと思います。
キャリアに悩むエンジニアや、エンジニア採用に取り組む人事の方々に読んでいただければ嬉しいです。
私についてちょっとだけ
LIFULLにはエンジニアとして08年に中途入社しました。
「LIFULL HOME'S」の様々な部署を経験し、不動産投資事業の責任者や組織マネージャ、エンジニアマネージャを経て、約2年前から人事本部に異動させていただきキャリア採用担当の仕事をしています。
採用の仕事は異動以前から「採用する部署側」として長く関わっていましたが、人事本部に異動して採用の最前線に職場を変えた形です。
「ジンジニア」って何?
ジンジニア=ジンジ+エンジニア、が語源だと思いますが、ここでは人事=採用に絞って話を進めさせていただきます。
そもそもジンジニアの定義とは何か?
その答えは世の中にないと思いますが、エンジニアスキルと経験を持った人事(ここでは採用)の人と定義するのが一般的な気がします。
採用する部署側のエンジニアの方についてはジンジニアと呼称するのは少し違うかもしれません。
ちなみに私は技術マネジメント職としての仕事を兼任してはいますが、自身をジンジニアと呼称するのは止めました。もうプロダクトコードを書くことはおろか、プライベート含めて開発することはなくなってしまったからです。GASでちょちょっと効率化するぐらいはやりますがエンジニアと呼称するのは憚られる気持ちです。
なぜエンジニアが採用仕事をするのか
近年の転職市場ではエンジニア職の採用が明らかにハードになっています。この記事ではその事情について詳しく言及しませんがそれは明らかで、その背景から専門性を理解せずに採用しようとした時のリスクが健在化してきました。
そこでエンジニアリングを理解し、共感と評価ができる人材が必要になっているのだと思います。
では非エンジニア人事との特徴の違いを挙げてみます。
(勿論、個人差や企業差があることは前提です。他にもあると思います。)
・自社や市場のエンジニアリングの知識レベルと開発経験
・自社プロダクトやサービス、ビジネスへの理解と経験値
・ものつくりの手法から得た効率性、生産性の追求(BPR)
2つ目までは当然として、3つ目については結構違いがあるかもしれません。
それとポジティブな違いとして出そうなロジカルシンキングや数字的思考は実はエンジニアだけの特徴ではないかもしれません。
反面、人事の仕事をする上では足りない能力も多くなるかもしれません。
・対社外のコミュニケーション・プレゼン・交渉能力
・対社内のコミュニケーション・プレゼン・対人能力
・マルチタスクへの耐性、ハードスケジュールへの耐性
これは完全に個人の感想ですが、自由や好み、自分らしさを貫いてきたエンジニアにとってはハードな職場な気がします笑
つまり、これまで挙げた点に強みがあるエンジニアのキャリアとして選択肢になりえると言えそうです。
ですが、本当にそれでジンジニアとして活躍できるのでしょうか?
採用担当としての期待値
では企業(経営)側がジンジニアを配置し期待するところは何か。
勿論それは前述の採用事情の課題解決になりますが、課題に対し外発的ではなく内発的な動機で行動できるかどうかが重要ではないでしょうか。
能力的にできるからではなく、問題に対し自分の中から湧き出る情熱があり自分が核になりこれを解決するんだという強い意思を期待しているはずです。
また、joinすることによる組織や周囲に対する刺激もあるはずです。
周囲に良い影響を及ぼし組織を強くする利他貢献が求められていそうです。
逆に期待値として意外と小さいのは、「エンジニアリングの実行」かもしれません。BPRは期待しても、それがエンジニアリングの活用である必要はなさそうです。ただし、エンジニアスキルがあることでよりベターな選択ができるのは確かだと思います。
「ジンジニア」の付加価値
直接的な採用タスクだけでなく、中長期的タスクの面でもバリューがあります。
所謂「採用ブランディング」の文脈にメリットがあるかもしれません。
・自社/社外メディアへの露出の企画、スポンサードやイベントの企画
・内容的に自ら広告塔になることも可能
・エンジニア職キーメンバーとのパイプによる円滑さ、建設的なコミュニケーション
これは採用ブランディングの面だけでなく、ダイレクトスカウトの現場協力やリファラル採用の促進にも効果は少なくないはずです。
「ジンジニア」の未来はどこか?
ここまで、これまでの私の経験も踏まえてポイントを記載してみました。
現在間違いなくエンジニアのスキルと経験値を持つ人事の需要は高まっています。(※)
ですが時間は残酷なもので色々なものを変化させます。
近い将来エンジニアが多く必要ない時代が来たらどうでしょうか?
保持するスキルや知識が陳腐化しついていけない未来は来ないでしょうか?
現実的に十分ありえる事だと思いますが、いくつかのキャリアの選択肢がありそうです。
①人事(採用)のプロフェッショナルを目指す
エンジニア採用にこだわるのではなく、職種や新卒・中途に依らない人事(採用)のプロフェッショナルを目指すものです。
先にはCPO、CHROのようなキャリアもあるかもしれません。
ジンジニアの強みを貯金に人事スキルをしっかり成長させる必要があります。
②エンジニアと兼任し続ける
メインは人事としながらも、エンジニアとしてのミッションもしっかりこなすものです。エンジニアリングタスクから離れたくないタイプの人には良さそうですね。
③〇〇×エンジニアリングで課題解決のプロになる
エンジニアが持つ能力が活きるのは人事だけではありません。
例えば、財務×エンジニアリングならよりテクニカルな活躍が期待できそうですし、法務×エンジニアリングならテクノロジーを活用したBPRができる余地があるかもしれません。
フレキシブルに横断して課題解決を測るコーポレートエンジニアとしてさらなる活躍の場を見出すものです。
きっと他にも色々なキャリアの選択肢があると思います。
一つ言えるのは、エンジニアが活躍できるフィールドは絶対的に多いということです。マネージャーかスペシャリストかだけではなく、様々な選択肢があるのがエンジニアという職業の良いところでもあると思います。
少しでも参考になれば幸いです。
【超ざっくりまとめ】
・ジンジニアとは、エンジニアスキルと経験を持った人事の人と定義
・エンジニアが転身する強みやメリットも多いが、適応するのは簡単でない
・なによりも大切なのは内発的な動機での取り組み
・ジンジニアの先のキャリアデザインは無数にあるので可能性は無限大
※ ちなみにこれは他の専門職にも言えるかもしれません。例えばデザイナーやマーケターの採用も簡単ではなくなっていますので今後、需要が高まる可能性はありますね。
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