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カミナシのエンジニア採用を支える認知・認識の作り方

こんにちは。カミナシHRの木村です。

ここ何年も続く人材採用受難の時代、2023年も半分が過ぎようとしている最中、少し潮目が変わりつつあるものの、相変わらず特にエンジニア人材の採用は高難度で推移しています。
弊社カミナシもカテゴライズされるスタートアップ企業においては、メガベンチャーも含めた競合多数の中で優位を取っていくのは簡単ではありません。

カミナシでは昨年春にCTOに原トリが就任し、今年3月のシリーズBでの資金調達を実施するなど会社としてのフェーズも変わりつつあるところでした。
原トリのCTO就任を契機に、テクノロジー企業としての採用広報や技術広報(※のち採用広報に統一)と呼ばれるもので認知・認識の向上を目指してきた結果、エンジニア採用でも一定の成果が出るようになりました。
その過程や取り組みなどをアウトプットしてみたいと思います。
また、エンジニア領域の文脈であるものの、他の職種領域にも同様のことが言えるかもしれません。

はじめに

現在もカミナシには広報PR担当は1名しかおらず、会社や事業のPRの領域を主に担当しています。採用広報はHR組織が担当し、エンジニア領域においては私がリクルーターを本業とする中で兼務する形で担ってきました。
そういう状況で、体系だった採用広報のスキルを持つ者がいない中での取り組みになりますが、恐らくそういった体制のスタートアップ企業は多いのではないでしょうか。
そういった似た悩みを持つ方々の参考に少しでもなれば幸いです。
(プロの目からすると拙いものに映るかもしれませんがご理解ください🙇
当領域で経験値をお持ちの方、助けてください!文末の宣伝をぜひご覧ください🙏)

カミナシ含めスタートアップ企業は社会へのプレゼンスがまだまだ低いこともあり、採用活動においては大きな採用母集団の形成は期待できず、自然とリファラルや中長期のタレントプール運用といった、限られた採用母集団にに頼る形になります。
いわゆるN1採用に期待することとなり、結果として効率的な採用活動にはなりえますが、これにはメリットもデメリットもあります。
採用母集団が小さいことで考えうるのは、

  • 市場感が掴みづらい

  • 選考の質が上がりづらい(磨かれづらい)

  • 運にも恵まれないと時間がかかりがちでコストメリットが消えがち

  • モメンタムを感じづらい

などなど。当然N1採用にはメリットもありますし、上記デメリットを解消する手段はあるのではないかと思いますが、採用母集団が一定規模で形成されることで結果的に採用成功確率が上がる傾向にあることを、採用経験者の方は体感しやすいところと思います。
私も同様の感覚があり、この1年、採用母集団を大きくしていくことに取り組んでいきました。ただ、大きな採用母集団を形成するにはさまざまな採用チャネル(経路)からの集客が必要で、リソースに限りがあるなか優先順位を付けざるを得ません。採用母集団を大きくするのに最も効果的で優先的に取り組むべきなのは自社に対する社会からの認知・認識の獲得だと考えます。

なぜ認知・認識の向上を優先するべきなのか

すべての採用集客において最も重要なのは「その会社を知っているか」です。
いくつもの会社が企業選びの選択肢になる中で、会社を認知していて、「どんな会社か」「どういう事業をしているか」「どんな人が働いているか」などもっと深く認識されるとさらに求職者の想起を期待できます。

会社が期待する認識が浸透しているかどうか

「転職しようかな?」とぼんやり考え始めた方が自然と転職先の選択肢として想起する会社が直接応募はもちろん、スカウトにしろリファラルにも強いのは想像できますし、人材紹介エージェントからのご紹介であれそこに少なからず人が介している以上何かしらの影響があることは事実だと思います。
また、転職経験がある方には共感できる方も多いかと思いますが、自分が全く認知していない会社からの呼びかけには応えづらいものです。魅力的に感じてもらい、かつ会社を信頼してもらうにはとても時間がかかります。
ましてや転職先の候補として単純想起、第一想起されるぐらいになるには更に多くの時間が必要です。
前章にて「優先的」としたのは、まさにこのリードタイムが理由なのです。
会社が大きくなった後に採用広報を頑張りはじめても、その活動を社内文化のレベルまで馴染ませるのは相当難易度が高くなります。会社の規模が小さく、早いうちにはじめるのが最適解と言えそうです。

このように、採用広報活動というのは採用活動の仕組み化や選考プロセスの最適化と同じかそれ以上に影響の大きい活動と言えるかもしれません。


認知・認識の向上に必要なこと

ではその認知・認識を高めるには何が必要でしょうか。

  1. 自分たちの武器は何か?
    他社と同じことを発信しても難しいです。必ずしもユニークである必要はないものの分かりやすく記憶してもらう意味でも差別化が必要です。
    他社が取れていない認識を狙うことが重要です!(以前一度ゆめみ社代表取締役の片岡さんに相談にのっていただいた際に学びました。ありがとうございます🙇)
    その際、必要なのは「自分たちの武器は何なのか」を理解して活動すること。エンジニア領域においてはカルチャー面だけでなくTech要素をきちんと盛り込むことも大事です。
    既にあるものを再発見したり、意図的に武器を新たに作るなり、多様な視点から武器を定義するのが良さそうです。
    この武器の質が他社との差の大きさになりそうです。

  2. どこで声を上げるか?
    主戦場はどこにするか、届けたいペルソナを考えて場所を選ぶ必要があります。全方位にターゲティングするのはなかなかパワーがいることです。
    飲食店等の出店エリアマーケティングと似たような考え方が必要なのかもしれません。(この辺が採用マーケティングと云われる所以なのかも)

  3. より多く発信することを怠っていないか?
    質というのは見る人によって評価が分かれますし、伝え手の技量にも左右されます。ですが量は簡単には裏切りません。しっかり量を作ることが最もコントロールできることです。
    良いものを発信する努力は当然必要なものの、まずコミットするべきは量の努力かもしれません。

  4. 一緒に踊ってくれる仲間がいるか?
    今の時代はコンテンツに溢れており、作るだけではユーザーに簡単には届かない時代です。良いものを多く作る努力や工夫と同じくらい「届ける」努力や工夫が必要です。
    届けるにはインフルエンサーでもない限り1人のチカラでは限界があります。社内だけでなく、活動の結果社外にファンが増えていけばシェアのチェーンが生まれます。いかに協力者を増やせるかが鍵になりそうです。

もう一つあげるなら目標設定と計測?(カミナシができてないこと)

採用広報活動がもたらすものともたらさないもの

様々な方法やコンテンツを駆使して採用広報活動を行った結果得られるものは、売上や利益などの事業上の重要指標でもなければ、入社者数などの採用上の目標数でもありません。
あくまでその会社や組織のイメージが作られるもので、認知や認識と呼ぶものと考えます。認知や認識を獲得できたから、事業上の重要指標や採用上の重要指標に直接寄与するものではないことを理解して活動することが実は大切なことです。直接的かつ短期的な効果を強く求めはじめると、なかなか結果に繋がらないジレンマを理由に活動継続がしにくくなることは多いです。
活動を継続することこそが認知・認識を強めるものとなり、活動が頓挫することは時間を追うごとに忘れられる結果になります。
採用広報活動を継続するためには、会社としての(≒経営からの)理解と効果計測の努力が大切かもしれません。

ただ、認知や認識の獲得は必ずしも長い時間がかかり、長く続けることが全てというものでもありません。例えば短期間で集中して投下することで、タイミングよく想起され短期でご縁につながることは当然ありえます。
届ける手段は色々ありそうで、戦略的に実施できているかがポイントかもしれません。

カミナシでの一年はどうだった?

翻ってこの約一年カミナシがどうだったか、振り返ってみました。
まずカミナシが武器としたのは、「CTO 原トリ」という1人のプレイヤーの存在です。カミナシのエンジニアリング組織はまだこれから魅力を形成するという段階だったので、原トリの存在に頼らざるを得ない状況でした。
いちソフトウェアエンジニアとして著名な原トリにクローズアップした外部メディアのインタビュー記事の発信や、彼が考える理想的なエンジニアリング組織やソフトウェアエンジニア像、プロダクトの未来絵図をnoteなどで発信してもらうことで、「一緒に働いてみたい」とぼんやりでも感じていただける層を増やそうと考えました。
元々発信文化が強くあるカミナシと相性のよいTwitterでコンテンツシェアに力を入れています。

当時の発信まとめ

また「全開オープン」なカミナシの特徴としてカミナシが抱える100問 「採用ウィッシュリスト」というものもありますが、この文脈ではエンジニアリングが抱える代表的な課題として「技術的負債」の解消に精力的に取り組んでいることをピックアップしテーマ設定していました。

カミナシの5 Valuesのひとつ

カミナシの現在地としては、アンテナが高い層には「原トリがCTOをしている会社」というイメージが付いてきていると採用活動上の成果としても実感しています。
次の段階となった今は、イベントやコミュニティへのスポンサード活動を通じてのGoやReact、TypeScript、AWSなどのアーキテクチャを選択している組織であることの認識や、エンジニアBlogや外部登壇などを通じて原トリ以外にも魅力的なプレイヤーがいることを知ってもらう活動を模索しています。
そして、昨今キーワードになっている事業成果に影響する開発者体験についての取り組みや発信をしていけたらと考えています。


最後に

最後までお読みいただきありがとうございます✨
少しでも同じ様な悩みを抱える方々の参考になれば嬉しいです。

カミナシも少しずつ歩みを進めていますが、冒頭記載の通り、採用広報を専任で取り組めるプロフェッショナルがいない中での暗中模索の日々です。
至らないことやできていないことが多すぎて困っています。
経験者のお力が必要です!ぜひ、カミナシで一緒に働きましょう!🤝🐐

 まずはかる〜く面談でもぜひ〜👍


参考にさせていただいていたnote