ジンジニアの取扱説明書 - 負の側面編
前回のnoteでは「(エンジニア+人事)ジンジニア」の正の部分にフォーカスしました。
今回は負の部分に着目してみます。言いにくいことだけど書いちゃいます。
将来エンジニアからキャリアチェンジを考えたい方、専門職採用を専門職に任せてみようと考えている方のヒントになれば。
自分のキャリアとして
あくまで人事業務を自分の仕事の中心にした場合で、例えばエンジニア業務がメインで採用業務をサポートする役割などはここではジンジニアとしては扱いません。
人事業務に重心を傾けたキャリアチェンジをした場合、これまでとは違うことに悩まされると思います。
①業務性質が全く違う
仕事で対するのは実態として存在する「人」や「組織」が直接的な相手になります。これまでは存在しないものを作り上げる仕事でしたが、そういったクリエイティビティを発揮する機会は極端になくなります。
人事という仕事が「人が好き」であることが条件とは思いませんが、「人が嫌い(苦手)」と感じる方には辛い仕事です。
また「人」や「組織」という不確実性の高い相手にも関わらず、ルーチン的な定形業務の多さには驚くと思います。TODOを消化することやマルチタスクを苦にしない方でないと戸惑うことも多いかもしれません。
②キャリアデザインの難しさ
職場では恐らくエンジニアとしての成長は期待できません。開発現場にいないことで情報のINPUTが減ったり仕事の忙しさや接触機会の少なさから学習意欲が減ったりしてきます。
日頃から趣味レベルで触れている方でないと段々と一線級から離れていくことになります。
未来のキャリアを考えた場合、エンジニアリングへの強さをベースに人事のプロフェッショナルに成長することを選ぶか、一定の課題解決ができたら開発現場に戻ることを考えるか、ある程度自分の意思をハッキリさせておくことをオススメします。半端が一番怖いのです。
実はキャリアプランを拡げていそうでそうでもないのかもしれません。
登用を考える側として
エンジニア職だけに限らず、専門職、特にクリエイティブ系の専門職の領域はどんどん情報の高度化が進んでおり領域未経験の方では難しい場面が増えているようです。
① ホスピタリティやコミュニケーション能力
それらを強く求められてきた職種ではなく、かつそういったことが苦手なタイプの方が元より多い傾向にあるのは周知の事実だと思いますが、この能力が高くない方はいかにこれまでになかった価値を発揮してくれたとしても中長期的に見た場合デメリットが強く出てしまう可能性があります。
これは実は人事文脈だけでなくエンジニアマネージメントにおいても同じではありますが、より不特定多数の人と仕事するという意味では強く影響します。
リアルタイムフィードバックがしっかりできる環境や素直で吸収力の高い方を見極める、もしくはそもそもピュアな人事職の方と同じものを求めない仕事を考慮すべきかもしれません。
②モチベーション
一つ大切な見極めとして、モチベーションの源泉を把握することがあります。
なぜ、ジンジニアになりたいのか、なって何を成し遂げたいのかを把握し、高い視座で継続的に能力を発揮できるモチベーションを持っているのか見極める必要があります。
組織課題を発見できる視野視点の良さや、課題解決の方法を設計することができるシンキング能力の深さを持っているかよく観察したいところです。
③待遇
社内でのジョブチェンジにしても外からの採用だとしても、悩ましいのは期待値調整です。
例えばエンジニアとして年収600万円の方が、人事でも600万円の仕事ができるかというとそうではないので、成長プランのすり合わせやミッション内容の設計がより必要になります。
また将来のキャリアパスを組織として提示できる環境作りも大切です。
終わりに
私の上司の羽田のツイートですが、やはり「やりたいと思ってやっていること」が高いパフォーマンスを出す上ではとても重要です。
今回はデメリットや障害など負の部分にフォーカスしましたが、
それを乗り越えられるのはその気持ち(モチベーション)だと思います。
キャリアチェンジを考える方も、登用を検討する側にも少しのヒントになれば幸いです。