「ルックバック」考察☔
傘持ってるのにさ、わざと雨に濡れて帰ったことない?
……。
わっかる!だよね!あるよねー!!
お久しぶりです、成瀬です。
2023年の投稿数まさかの0!
え、嘘でしょ?
びっくり⚡
まさか、そんなに放置してたとは〜(白々しい)
突然だけど、今年のアニメ映画、豊作じゃない?
なんかすごいアニメ映画見に行ってる笑
この前は「ルックバック」見てきた👀
「ルックバック」さ、知らなかったんだけど結構話題なんだね?
事前知識なしで、先月PVだけ見て「これは行くしか…!」ってなったんだけど、なるほどね「チェンソーマン」の作家さんの漫画が原作なのか🤔
【あらすじ】※公式
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。
クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。
以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。
二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。
しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。
結論から言うと、この映画は期待どおりによかった!欲を言えばもう1発、右ストレートが欲しかった。ただこれは好みの問題で、これでもかっていうしつこさが好きな人は同じように思っただろうし、逆にそれが嫌な人もいるからね。
まぁ「ルックバック」には後者が合ってるのかな…という気もする。
とはいえ、期待値がかなり高かったから、その期待どおりを1時間でぶつけられたのは凄いと思った。
「ルックバック」はストーリーの面白さというよりも、藤野と京本の関係性とエゴがとにかく刺さる。キャラから滲む言葉にできない心理描写がうまい。総じて面白かったし、映画館で見てよかった。
自分を天才だと信じて疑わなかった主人公・藤野と、自分より絵が上手いくせに自分に憧れる京本。
2人の青春モノとしての側面もあるけど、1人の凡人が秀才になるまでのサクセスストーリーでもあって、はたまた「創作者」に対する風刺でもあった。
藤野はマンガが好きで、それを褒めてくれる京本が好きで、ただ走っていた。引っ張ってもらってた京本はそんな藤野の背中を見続けて思ったんだよね。隣に立ちたいって。だから中盤で、京本は藤野の手を離した。根底にあるのは好きと憧れで、それはもう誰にも止められない。
藤野もそれを分かった上で、それでもやっぱり京本と一緒にマンガを描いていたかった。だから酷いことも沢山言った。だけど上手くなりたいって気持ちは誰よりも分かってしまう。だから最終的に京本と別の道を進んだんだと思う。
そこから数年後。
突然の京本の死。死因は美大で起こった無差別殺人。引きこもっていた京本が部屋から出て美大に行ったのはほとんど藤野の影響だった。
藤野は考えた。もしも自分と京本が出会わなかったらこんなことにはならなかったんじゃないか。自分のせいで京本は死んでしまったのではないか。こんな時でさえ「もしも」を、叶わないifを想像してしまうのは藤野が創作者だからだと思う。想像の中ででもいいから、どうしたら彼女はまだ生きていたのか、考えずにはいられなかったんだと思う。
でもそんな想像の中ですら、京本は京本だった。絵を描いて、自分に憧れ、美大に通い生きる。例え出会わなくても背中を見て歩いてしまう。
そして京本に言われてしまえば、自分だって結局、漫画を描くという選択をしてしまう。
京本が死んでしまったあと、彼女の部屋には四コマ漫画があった。背景しか描かない京本が、憧れの人を追いかけて描いた四コマ漫画。藤野が描いた「シャークキック」は数巻ずつ揃っていて、ドアには服が1着。背中にサインが書かれたその服はかつて藤野が京本に頼まれて書いたものだった。
ずっと藤野を追ってきた人の部屋だった。
――どうして漫画を書くのか。
そのシンプルな質問が1番くるんだよな。
分かる。
でもその答えは結局「好きだから」に尽きると思う。報われなくても、大変でも、それでもペンを持つ。
物語は人を殺すこともするし、生かすこともする。
京本のいない世界で藤野が描き続ける理由。それは考えるまでもなく否定しても否定しても、やっぱり京本とマンガを描く時間が楽しかったから、好きだったからだと思う。あの思いは本物で、あの時間が京本がいた証で、それを肯定し続けるためには描くしかない。自分の「シャークキック」を読み返して、シャークキックだったら京本を救えたのに、なんて考えてしまうし、後悔だってずっと消えないだろう。でも京本との時間の延長線上に藤野のマンガがある。
「背中を見て」
京本が残した四コマ漫画が藤野を救った。
藤野は京本の背中を見る。
藤野の背中は京本が見る。
だから藤野は描き続ける。
少なくとも私の解釈はこうだった。