サーチファンド・ジャパン、設立発表の補足
2020年10月2日に株式会社サーチファンド・ジャパンを設立しました。
おかげさまでリリース後、多くのお問い合わせやメッセージをいただいています。
説明会も予定していた分が早々に満席となり(随時、追加開催していきます。ご興味ある方はこちらより)、サーチャー登録も続々と増え、関心と期待の高さを感じます。
責任重大です。頑張ります。
またSNSでもいろんな反応を頂いています。期待もあれば、懐疑的な意見もありますが、まずは「サーチファンド」について活発に意見が交わされていること自体うれしく思います。
私がサーチファンドを知った6~7年前は、「サーチファンド」とカタカナで検索した結果が1ページ分くらいしかなかったんですよ。ほんとに。
隔世の感がありますね。
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さて、プレスリリース後SNSなどで見かけるコメントの中で、少し説明が必要かなと思うトピックに対して、いくつか補足させていただきます。
サーチファンドにMBA必須なの?合わないんじゃない?
「MBA取得者を中小社長に」という新聞見出しから、我々のファンドのサポート対象がMBA生限定なのではと思われている方がいらっしゃるようです。
実際にはサーチャー選考にあたって、MBAは特に意識していません。新聞記事でも本文には丁寧に書いて頂いており、MBAはあくまで一例/例えとして表現されています。
もちろんMBA持っていてマイナスにはなりませんし、経営の体系的な知識はあるに越したことはありません。ただ、中小企業の経営者として活躍するためには、小難しい理論や戦略よりも、チームを動かせる/ついてきてもらう人間力のようなものの方がよほど重要だと考えています。
M&Aで外様社長になる時点で、基本的に社員や関係者から複雑な感情をもたれるところからスタートです。そこからどう信頼を勝ち取っていくか。MBAで得た知識や経験は、そのための武器になる可能性もありますが、勘違いすると諸刃にすらなる可能性もあると思います。
サーチファンドは儲かるの?手間や苦労の割に合わないんじゃない?
「投資規模が〇億円として、利益を〇倍に成長させて、儲けが〇円くらいか・・。それできる人はXXやった方が、苦労せずに稼げるのでは?」
「サーチファンドの現場なんて、泥臭い苦労ばかり。東大とかMBAでてまでそんなことやるキャリアのでいいの?」
・・的なご意見もよく目にします。
はい、これは人によっては正しいのだと思います。キャリア選択において、そういう観点が重要な人にとっては割に合わないかもしれません。
サーチファンド、手間かかります。泥臭いです。もちろん、成功した暁にはチャレンジにふさわしい報酬を得られる仕組みを考えていますが、そこに至る道は「ファンド」「経営者」という言葉からイメージする華やかさや経済的見返りとは違うかもしれません。
一方で、隅々まで目の届くチーム、小さな施策の手ごたえ、自ら営業や製造の最前線に立り得られる知見、その過程で得られる学びや自信といった、泥臭い環境だからこそ得られるものもあります。
それを意味があると思うかどうかは、これはもう好みや適性の問題で、ロジカルにどちらが正解、ベターというものではないでしょう。そういう働き方や価値の出し方にやりがいを感じられるかどうかだと思います。
また短期的にみると泥臭くて割に合わないとしても、長いキャリアで見るとその経験が血肉となり、次のステップが開ける可能性は大きいとも思います。
最近、中小企業の経営者にお会いする機会も多いですが、小さくとも経営者を経験したことがある人は、その後どんなキャリアを歩むにしても活躍できるイメージがクリアにできます。
いずれにせよ、割に合わないと感じる人も正しいと思うし、ワクワクすると思える人も正しいと思います。人それぞれです。
私の知っているサーチファンドと違う
これはおそらく「アメリカのスタンダードなサーチファンドの仕組み」と、我々の投資スキームの差についてのコメントだと思います。
どの点について「違う」と感じられたのかは分かりませんが、確かに我々はアメリカ型の仕組みをそのまま導入しようとはしていません。日本の実情に合わせて、より良いと思うやり方を検討しています。
例えば、伝統的なサーチファンドでは、約20人の投資家にスポンサーになってもらい活動を始めるのが一般的ですが、我々は(少なくとも最初は)当社の運用するファンド単独でサーチャーのスポンサーになる予定です。
これは日本でサーチファンド形式で投資のできる投資家を20人集めるのは現実的ではないこと、また単独投資家となることでより濃密なサポートができること、等を踏まえた仕組みになります。
また伝統的なサーチファンドでは、基本的にサーチ活動を始めた段階でフルタイムのコミットが求められますが、我々は兼業でのサーチ活動もOK、むしろ兼業からの活動スタートの方がよいのではないかとも考えています。
おそらく、サーチ活動を始めた初日からフルタイムの忙しさになるほどの案件が出てくる可能性は低いと思いますし、覚悟を持って始めてみても「思ってたのと違う」となる可能性もゼロではないと思います。ですので、まずは兼業でサーチ活動を始め、進め方への理解や確度が深まった段階でフルタイムに移行していくやり方の方がフィットする方が多いのではないかと考えています。もちろん最初からフルタイムでやる方が相性のよい方もいるとは思いますが。
他にも我々なりにサーチャーと投資先の企業にとってベストな手法を研究しています。「個人が投資家の支援をえて中小企業をM&Aし、自ら経営者として企業の成長にコミットする」というサーチファンドのエッセンスは大事にしつつ、形式に縛られず柔軟に対応していく予定です。
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まだまだ日本でのサーチファンドは黎明期です。我々もスタートしたばかりです。いろんなご意見を頂きつつ、またいろんな経験をしつつ、業界の健全な発展を目指していきたいと思います。
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