伊藤公健 | サーチファンド・ジャパン代表取締役
サーチファンドや個人M&Aのサポートを行う中で、よく頂く相談、気づき、情報等について、感じたことや思いを書いていきます。
2014年に日本で初めてのサーチファンドを目指し、中小企業の買収から経営を実現した経験の記録です
2020年10月2日に株式会社サーチファンド・ジャパンを設立しました。 おかげさまでリリース後、多くのお問い合わせやメッセージをいただいています。 説明会も予定していた分が早々に満席となり(随時、追加開催していきます。ご興味ある方はこちらより)、サーチャー登録も続々と増え、関心と期待の高さを感じます。 責任重大です。頑張ります。 またSNSでもいろんな反応を頂いています。期待もあれば、懐疑的な意見もありますが、まずは「サーチファンド」について活発に意見が交わされ
2022年版米国のサーチファンド動向、下記2回に分けてお届けしています。 投資の仕組みとしてのまとめ(前回) サーチャーに注目したまとめ(今回) 2回目の今回は「サーチャー」に注目したまとめです。 そもそもサーチャーとは、サーチファンド(個人が投資家から資金を集めてM&Aを目指す投資活動)の仕組みでM&Aを目指す個人のことを言います。米国では30年以上の歴史があり、経営者を目指す新しいキャリアとして定着しています。 ではどのような人がサーチャーとして活動しているのか、
米国のサーチファンド動向を定期的に調査しているスタンフォード大学より、最新のSearch Fund Studyが公開されました。 日本でも注目の高まっているサーチファンドですが、発祥の地アメリカにおける発展の歴史、また足元の状況を改めて整理してみたいと思います。 投資の仕組みとしてのまとめ(今回) サーチャーに注目したまとめ(次回) 上記、2回に分けてお届けします。 今回は「投資の仕組み」としての視点で見ていきましょう。 (以下、Stanford GSB 2022 Se
先日当社のサイトで公開したサーチフィー投資提案書のひな型、おかげさまで大きな反響をいただいています。サーチ活動を目指す方の道しるべになれば幸いです。 https://www.searchfund.co.jp/archives/20210827 公開したひな型は、もともとは米国で教科書的に扱われているひな型を参考にしています。オリジナルのひな型を参考に提案書を作成し、私のところに相談に来られる方も少なくないのですが、ひな型をうまく使いこなせていない方もいらっしゃる印象があ
米国のサーチファンドの動向について、数年おきに調査データを公開しているスタンフォード大学のレポートがアップデートされていました。 前回2018年度の調査をまとめたこちらの記事から、大きな動向は変わっていないようですが、主なポイントをアップデートしておきます。 サーチファンドの組成数2018~2019年も引き続きサーチファンドの組成数は増えているようです。米国における累計組成数は約400件になりました。特に2019年におけるサーチファンド組成数は約50件と、過去最高を更新し
資産を活かすためのM&A事業承継やM&Aの目的の一つは、ゼロから事業を立ち上げるより、せっかく既存の事業基盤があるのならそれを活用しようということだと思います。 ゼロから商品・サービスを作り、顧客を開拓し、ブランドを育成し・・というのは時間やお金がかかるだけでなく、手間暇をかけた挙句うまくいかないリスクもあります。 だったら、既存の事業や資産を買って、そこから改善するなり成長させるなりした方が効率的だろうと。 「M&Aで時間を買う」という言い方もされますね。 頭の中では、
サーチファンドをやりたい人のよくある悩み、 前回の「買収資金がありません(出してくれる人がいません)」に続き、 今回は「いい投資案件の見つけ方が分かりません」について。 そもそも、うまい話はそんなにない「いい投資案件の見つけ方を教えてください」 という相談者に、どうやって探しているんですか、とお聞きすると、 「M&A情報サイトに登録しています」という答えが一番多い、というか、ほとんどこのパターンです。 最近はM&A情報サイトも充実しており、良い案件が集まるようになっている
サーチファンドをやりたい人からの相談で、必ずでる悩みが二つあります。 「M&A資金がありません(出してくれる人がいません)」 「いい投資先の見つけ方が分かりません」 この課題に対しては、私なりに経験を踏まえた考えがあります。 今回は一つ目の「M&A資金がありません」について。 M&A資金は本当に無い?「M&A資金がありません(出してくれる人がいません)」 いきなりですが、これは言い訳に過ぎないと思っています。 銀行、ファンド、個人投資家、事業会社・・・など、お金を持って
それがここ1-2年で、サーチファンドや、近い活動である個人M&Aという言葉を本当によく目にするようになりました。カンファレンスがあったり、本がでたり、研究会があったり、テレビでも特集されたり。 私がサーチファンドに出会った2014年とは隔世の感です。カタカナで検索し、1ページで終わるGoogle検索に驚いたことを覚えています。 私もサーチファンドの普及のために活動しているので、盛り上がりはうれしいのですが、同時にこのブームを不安に感じるところもあります。 個人M&A、サ
資本主義批判に対する違和感SDGs、社会起業家、インパクト投資など、ビジネスの世界でも利益だけでなく社会的な意義を重視して活動しようという動きが活発です。ポストコロナの経済社会の方向性としても大事な論点でしょう。 地球環境は心配だし、鬱屈とした社会問題には心が痛むし、利益だけではない価値への意識が浸透するのは良いことだと感じます。 さて、このようなビジネスと社会的意義の接点が論じられるとき、 必ずと言っていいほど、「資本主義は行きすぎた」「ポスト資本主義を目指すべき」とい
前回の「米国のサーチファンド動向をまとめてみました」の補足です。 サーチフィーはどのくらい集めているの?サーチファンドの最初のステップとして、サーチャーは投資家から活動資金(サーチフィー)を集めます。 直近のデータとしては、一口$30K(300万円) x 15人の投資家から出資を受け、総額$450K(=約4500万円)のサーチフィーという規模感です。 この4500万円は一般的には2年間の活動費として使用されます。前回のnoteにも書きましたが、サーチャー報酬は平均で約100
1年前に書いたサーチファンドnote、2014年に調べた米国のサーチファンドの情報などを記載していましたが、情報が古いままでした。 近々サーチファンド向けの投資事業をローンチする予定でして、これを機に米国の動向をアップデートしてみました。(とはいえ、原則2017年末を基準としたデータですが) コロナ禍で、バリュエーション等の水準は全く参考にならなくなっていますが、サーチファンドという仕組みのトレンドは把握できると思います。 以下、主に時系列での変化という観点でまとめてみまし
一連のサーチファンドnote、たくさんの方に読んでいただきありがとうございます。だいぶニッチなテーマでしたが、思ったよりも反応を頂きサーチファンドや個人M&Aへの関心の高まりを感じました。 5年前、一つの案件の成功を目指しサーチファンド活動を行い、多くの経験と学びを得ました。またそれ以降、様々な形で投資のご提案、新規事業の立ち上げ、事業承継のご相談をいただきます。 得られた経験とネットワーク等を活かし、今度は複数のサーチャーとともにサーチファンドや個人M&Aの広がりを目指し
サーチファンドの概要はこちら アメリカでのサーチファンドのエコシステム私がサーチファンド活動を行った2014年、「サーチファンドというものがありまして・・・」から説明しないといけない日本で、投資家からのコミットを得るのは難しかった。 一方、30年以上サーチファンドの歴史のあるアメリカでは、サーチファンドに投資をするファンドというのが多数存在する。例えば、 SearchFundPartners: https://searchfunds.net/ Relay Investme
本コンテンツは、2024年11月に、株式会社サーチファンド・ジャパンwebサイトにおけるコラムとして開示情報の追加・見直しも含めて再編集し公開しています。 ▼(再編集版コンテンツ)日本初サーチャーとしての経験と思い vol.1 | サーチファンドとの出会い vol.2 | サーチファンドの設立 vol.3 | ソーシング~経営~エグジット --- サーチファンドに関する他のnoteはこちら 01:個人が中小企業をM&Aする新しいアントレプレナーシップのかたち 02:サーチ