マガジンのカバー画像

サーチファンド:経験と学びの記録

9
2014年に日本で初めてのサーチファンドを目指し、中小企業の買収から経営を実現した経験の記録です
運営しているクリエイター

2019年4月の記事一覧

サーチファンド#01:個人が中小企業をM&Aする新しいアントレプレナーシップのかたち

年に数回、「サーチファンドについて聞かせてください」という問い合わせがくる。 知人からの紹介もあれば、全く知らない方からの突撃も。 多くが日本人だが、たまに外国籍の人。MBA在籍中もしくは卒業生が多い。 私がサーチファンド活動をしたのは2014年。 おそらくサーチファンドという名前を掲げて活動したのは日本初だったと思う。 試行錯誤しながら、結果的に良い企業と投資家にめぐりあうことができ、企業買収と企業価値向上を実現することができた。 当時から4年以上たった今でも日本ではあ

サーチファンド#02:サーチファンドのはじまりと成功事例

サーチファンドの概要についてはこちら サーチファンドのはじまり最初のサーチファンドが生まれたのは1984年。 スタンフォード ビジネススクールのH. Irving Grousbeck教授は、若き経営者候補が中小企業を買収するための新しいM&Aファンドのコンセプトを具体化する。 投資家から大きな買収資金を獲得する前に、先に買収先企業を探してくるというコンセプトは「サーチファンド」と呼ばれ、1984年の誕生以降1-2件/年のペースで新しいサーチファンドが組成されていった。

サーチファンド#03:データでみるサーチファンドの広がり、実績、リターン

サーチファンドの概要についてはこちら サーチファンドの広がり1984年の最初のサーチファンドの後、アメリカを中心に約150本のサーチファンドが組成されている(※2014年調べ。その後も伸びは加速しているらしい)。 組成されたサーチファンドは、いったいどのくらいの確率で企業買収に成功したのだろうか。また、買収対象となった中小企業はどのくらいの規模で、投資後はどのくらいのリターンが実現されたのだろうか。 初回に説明したように、サーチファンドの組成とは当面のサーチ活動の資金がコ