3月25日:バリの人は世界一の子煩悩?!生後8ヶ月の次男をバリ島に連れていって気づいたこと<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>
わたしがバリ島に移り住んだのは、長男が6歳、次男が生後8ヶ月。次男はハイハイ真っ只中。旦那くんはお仕事の関係で日本にひとり。いわゆる、母子移住だ。
これだけ聞いたら、「ワンオペで赤子を連れて移住?!おかんパワフルすぎへんか!?」と思うかもしれないが、実はそんなことない。今日はこのからくりについて書く。
さて。バリ島のレストランに赤ちゃんとお母さんが二人で入ったら、何がおこるだろうか。まず、店中のスタッフ、お客さんが全員笑顔になる。そして、わらわらと4,5人くらいのスタッフに囲まれる(仕事そっちのけで)。いつのまにか赤ちゃんは誰かに抱っこされ、ご機嫌に。次から次へと、抱っこされる。あかちゃんは引っ張りだこ。そしてその結果、お母さんは1時間でも2時間でも、うっかりひとりで食事をゆっくりすることができるのだ。
バリには、日本みたいな核家族はほぼいない。赤ちゃんは親族総出でお世話される。中学生高校生くらいのお兄ちゃんお姉ちゃんが、赤ちゃんの子守を任されることも多い。
なので、みんな赤ちゃんの扱いに慣れているし、なにより、赤ちゃんを抱っこする時のとろけそうな笑顔を見ていると、本当に子どもが好きなんだな、とよくわかる。
それは、バリヒンドゥー教のしきたりにも垣間見れる。生後105日までは、あかちゃんは足を土につけてはいけない。なのでずっと抱っこされている。そして生後1日から2歳になるまで、親族は喜び勇んで、子どものためのセレモニーをたくさんする。それが、親の喜びなのだ。
そしてきわめつけは、ベビーシッターさんを月額約4万円で雇えることだ。年々値段は上がっているし、エリアによっても値段が違うのだが、週5、8時間での相場だ。あるお友達は子どもが4人いるのだが、それぞれの子どもに一人ずつシッターさんをつけている。こどものウェルビーングと親のウェルビーングの底上げは、はんぱないと思う。
バリの人は、世界一の子煩悩なんじゃないかと思う。過言なく、バリの人は世界一のベビーシッターさんに向いている人種だと思う。バリの人は基本、子どもを怒らない。子どもに限らずだが、怒鳴るなんてことは一切しない。子どもを目に入れても痛くないレベルで大切にする。
そして、さらにママにとって大きいのは、お掃除や洗濯、ガーデニングのスタッフも雇おうと思えば雇えることだ。これもエリアによって相場は違えど、週2・3、2時間くらいで月額約2万円。ママは家事から逃れて育児に専念することもできるし、育児を外注することもできる。
そうやって生まれた自分の時間は、明らかに親にとって健やかな時間だろう。わたしも、ここぞとばかりに子どもと一緒に遊んだり、ガーデニングをしたりサーフィンをしたりしている。こういう幸せを噛み締めれる時間があるからこそ、母国から離れてもここにいたいと思えるのかもしれない。
そして、親と子だけの閉ざされた環境でなく、たくさんの人間に囲まれた生活の方が、子どもにとっても親にとってもきっと健やかだ。そこには、当たり前のように助け合いの気持ちがあるし、多様性もある。「ありがとう」があり、時には「ごめんね」もある。そういった環境こそ、子どもにとって価値があるのかもしれない。
赤ちゃん連れのバリ島への移住に、それほどパワーなんていらない。必要なのは、「愛」と「許しあい」だ。子育ても家事も、時には人に頼っていいと思えるかどうか。周りの人の気持ちをどう理解するか、どう自分の気持ちを伝えるか。結局場所は変われど、子育ては自分育て。そんなママさんを、バリ島はあたたかくサポートしてくれるのだ。
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バリ島に住んで5年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。
-嫌なことが起こったのは悪霊のせい
-人と神様と自然の調和が大切
-貯金はしない
なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。
その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちています。ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。
メイン画像:UnsplashのLaura Lee Moreauが撮影した写真