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大きな選択を前に悩んでいるあなたへ 〜小心者の私がカリフォルニア移住できた理由〜

カリフォルニアからこんにちは!
私はマインドフルネス、コンパッション、リーダーシップなどのプログラムを実施したり、翻訳も含めた書籍などコンテンツを作りをやっている者です。コーチングは特にしていないのですが、最近よく「ちょっとお話したいんですけど」とご連絡をいただくことが増えました。
それぞれ内容は控えさせていただきますが、ただ「お悩みと迷い」についてであることは共通です。
今の道(A)に残るのも辛すぎる、かといってさまざまな事情で別の道(B)にも進めないという板挟みにあって、ストレスが日々募ってとても苦しい状況で、藁をもつかむ思いで私に連絡してくださったのだと思います。

そんな状況に真摯に向き合う方達に、私は心からの尊敬を感じます。
私も企業勤めから独立しアメリカ移住を試みたものの、挫折してまた東京に舞い戻ったことがあります。その時は会社に残ることも独立することも、惨めで怖かった。結局、東京での会社員としての生活がまた辛くていたたまれなくなって、なんとかカリフォルニアでインターンとしての受け入れ先を見つけ、再トライに向けて飛び出したのは2000年の3月のことです。決してカッコ良くも潔くもありませんでした。その時の感覚は、「火地獄を選ぶか水地獄を選ぶか。火地獄はもうたくさん。水地獄に再挑戦するしかない。」
そして、飛び出した先の水地獄、いやカリフォルニアで、経験もコネもステータスもゼロからの出発は、不安しかない厳しいものでした。しかし火地獄(東京)のあの閉塞感を考えれば、まだマシな気もしました。
そして今から考えるとこのゼロからの出発が私を育ててくれたのです。

それから早回しして現在。
あの時の決断は、私の人生最高の転機となりました。あの時の決断のおかげで夫に出会い、自分で選んだこの場所で起業し、仲間と共にこころざしを仕事にするという、あの頃の私の悲願を生きています。
東京で務めた会社の居心地がよかったら、今私はこうはなっていなかった。冗談でも皮肉でもなく、辛酸を舐めさせてくれて、本当にありがとう、と思います。
もちろんカリフォルニアに移住してからも、起業家としての修羅場を何度かくぐりました。マインドフルネスをお伝えしているにもかかわらず、メンタルを病んだこともあります。

しかし、これらの苦しみが今の私のために必要だったのです。
順風満帆のままでは私は成長できなかったでしょう。マインドフルネスやリーダーシップをお伝えする上でも、表面的なままだったでしょう。
自分らしく生きようとするリーダーの方達に、より良くお役に立つこともできなかったでしょう。

だからと言って新しいやったことのない道(B)を選ぶといいよ、というわけではありません。(A)も(B)も正解はなく、どっちもしんどいのです。
悩んでいた若き私に、今の私からメッセージを送れるならば、次のいずれかです:

  1. どうなるかわからない、決められないという状態は決して悪いわけでも、あなたに問題があるからでもない。だから「決めないことに決めて」しばらく決断のプレッシャーから自分を楽にしてあげることも良い、と思うのです。無理に決めずに、決めることからすっぱり一休みして今に心を取り戻し、最終的に勇気や気づきが湧いたら、きっとよりコミットできるはず。(このように不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力を「ネガティブ・ケイパビリティ」と言います)

  2. 正解はなくても、選択し試行錯誤することが正解になっていく。決めたら実行し、そこから学んで修正して、PDCAを回していくことで、どんな選択も正解になっていく。私もやっとサンタクルーズでさまざまなご縁を得られたのも、3度目の正直で渡米を試したからです。

  3. 思考は行動を生まない。行動を生むのは行動のみ。考え過ぎる時は、「正解」を得ようとしている時。どんなに考え抜いても正解はないから、堂々巡りになります。現状打破には、「旅行でいいからその場所へ行ってみる」「相談できる人に会ってみる」など小さなアクションを決めて、それをコツコツやっていくと、行動へのハードルが下がっていきますよ。

  4. 失敗すること、思うようにいかないことから血肉化された叡智は得られる。失敗や挫折はどんなに回避したくても避けられないので、覚悟しましょう。それはあなたがそれだけ自分らしい道を歩もうとしている名誉ある(一時的な)負傷。そしてそこから何物にも変え難い、血肉化された叡智をゲットして、もっと強く、優しくなったあなたとして立ち上がれます。

そして何よりも、辛い中で夢を諦めきれずもがいているあなたに心からのエールを送ります。たとえ迷いの中にいても、そこがあなたの成長と幸せのための最もふさわしい豊かな土壌であることを、知ってほしいのです。
慣れ親しんだコンフォートゾーンに疑問をかかげ、自分の中に芽生えた別な可能性をそれを諦めないからこそ、悩み迷い苦しむのです。そんなあなたの潜在的な強さに心からの尊敬を感じます。
孤独を感じて一人で悩んでいるかもしれません。
でも、決して一人じゃない。人は苦しみを通して共感しつながることもできる。
そして、飛躍する直前には、深く屈んで一番負荷がかかるからこそ、大きくジャンプできます。無責任なポジティブ思考なんかじゃなく、あなたの苦しみはすでにあなたが一歩進んでいるあかしだから。



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