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石頭脳を解きほぐそう

こちら記事の続きを書いていきます。

脳は思い込みを生きているってどういうこと?

 
昨日のこの記事では
・脳は「思い込み」を基準にして物事を認識している
・脳はリアルとヴァーチャルを区別しない

というお話をしました。

そして、この「思い込み」システムが、あなたの夢を実現させることもあるし、逆に邪魔物になることもある
――というところで終わったので、今日はその続きです。

・ ・ ・

脳があなたの体験を邪魔している?

 
脳ミソ君は昼も夜もなく、日々あなたのために働き続けている、とても健気な子です。
でも、ある意味、とても単純で一途なので、付き合い方を間違えると嬉しくないこともしてしまいます。

悪気はないんですよ、ホントに。
ただただあなた(ご主人様)のために良かれと思ってやっているんです。
そこのところ、分かってあげてくださいね。

たとえば、「思い込み」。

「あの人は思い込みが強いから・・・」
否定的にも肯定的にも使われる言い方ですね。

肯定的だったら、自分は絶対に○○になる、○○する、という
強い思いで夢を実現していくイメージ

つまり「おれは海賊王になる!」っていう、アレです(笑)

その逆に、否定的なものとしては、固定観念に縛られていて頭が固いコチコチの石頭。
そんなところでしょうかね。

同じ「思い込み」という脳の働きの表れだけれど、働く方向が違うと、結果も逆になります。

つまり「思い込み」自体には良し悪しはないということです。

思い込むこと、何かに対して固定したイメージ・概念を持つことは、脳の持つ機能なので、「思い込み禁止!」と脳ミソ君に言ってもダメです。
脳ミソ君、困って泣いちゃいます・・・たぶん (^^;)

・ ・ ・

思い込みが引き起こす悲喜劇の正体

 
ちょっと一緒に考えてみましょう。
「思い込み」が否定的に働くのはどんな時でしょうか?

ここで今日もまた、お馴染みの「梅干し」に登場してもらいます。

質問です。
梅干しは、しょっぱくて酸っぱい!」
これは正しいですか?

大学生の頃、山形の友人宅に泊まった時のこと。
朝食にお母様お手製の梅干しが出ました。
赤シソで漬かった立派な大粒の梅干しです。

ところがこれ、食べてビックリ!
何とも言えない、ヘンな味~(>_<)

最初はいったいなんなのか理解できなくて、脳ミソ君パニック!
 

その梅干し、なんと、甘かったんです。
お聞きしたら、お母様のお家の漬け方なのだとか。

お菓子ではないんですよ。
普通にご飯に添えて食べる梅干しです。
でも甘い!酸っぱくて塩気もあるけど、甘い!

初めのうちは、その感覚に馴染めなくて、舌も脳ミソ君もかなり戸惑っていました。
でも、そのうちにだんだん馴れていって、これって美味しいかも~(^o^)
に書き換わっていき、帰る時にはお土産に分けて頂くほどにすっかり気に入ってしまいました(笑)

ここで起きていたのは、つまりこういうことです。

脳ミソ君は、梅干しはしょっぱい、と思っていた。
だから口に含んだ時に当然、その味を予想していた。
そこに、まったく予想外初めて経験する味が飛び込んで来た。
そのギャップに激しく戸惑った

もしこの時、たとえば外国で知らないものを食べる時のように、梅干しというものを食べるのが初めてだったなら、素直にあるがままを味わって、それで、美味しいとか、美味しくないとか、感じたはずです。

甘い梅干しに対する味覚自体の反応は、梅干しの味に対する「思い込み」がある時も、それがない時も、どちらの場合でも同じです。

本来同じ味を感じているのに、脳の記憶に刻まれている「思い込み」が
違和感を覚えて、感じ取った味覚を素直に受け取れないということが起きていたのです。
 

これは梅干しに限った話ではもちろんありません。
同じようなことって、経験ありますよね?

たとえば、青森出身の友人から聞いた話。
彼女は、東京に出てきて初めてお赤飯を食べた時、「なんでお赤飯がしょっぱいの~!」と、激怒したのだそうです。

ええ~? お赤飯にはゴマ塩が普通で……?
東京人の大半はそう考えると思いますが、青森では(少なくとも彼女の郷里では)お赤飯に入れる豆は甘納豆。
だから、お赤飯は甘い物なんだそうです。
こっちがビックリです(笑)

・ ・ ・

体験を歪める脳の仕組み

 
これが典型的な、よろしくない方の「思い込み」の作用。

身体(五感)が感じていることを、脳が歪めて判断しちゃうんですね。

笑い話で済むぐらいならいいんですけどね。
それによって偏った評価をしてしまったり、体験を狭めてしまったりということが起きやすくなります。

それは、とてももったいないことです!
 

さて、ではこの時、もし、あなたが、「山形には甘い梅干しがあるらしい。
青森ではお赤飯は甘いのだそうだ」ということを、実体験はしていなくても、知識、情報として知っているとしたら、どうでしょう?

少なくとも、パニックにはならずに済みそうですよね。
 

あなたが当たり前に想像していたのとは違う味のものを口にしたとき、脳はきっとすぐにこんなシミュレーションします。

これが山形の甘い梅干しなのかな。
甘いお赤飯ってこんな味なんだ。

そう判断して、ありのままを受け入れることができるはずです。
(脳ミソ君、とても賢い子ですから)
 

わたしが生まれて初めて甘い梅干しを食べて脳ミソ君がパニックを起こしたのは「自分が知っている梅干しとはまったく異なる味の梅干しがこの世に存在する」ということを知らなかったから、です。

だから、すでに持っている「梅干しのイメージ」と、そうではない梅干しの味の体験のギャップを埋めるのに、それなりの時間が必要になりました。

・ ・ ・

石頭脳にならないために出来ることは

 
子供の頃の脳は柔軟です。

まだ「思い込み」に支配される部分が少ないので、受け取った刺激をあるがままに、スポンジのように吸収していきます。
 

それは逆に言うと、実体験がまだ少ないということでもあります。

生きて行くなかで、いろんなことを体験して、その経験を通して、脳ミソ君は「世界と言うもののイメージ」を記憶の中に築き上げていきます。

それがつまり、あなたの世界
あなたが感じ取る、あなた独自の世界の認識です。

わたしたち大人は、出会う物事や体験を、いつもこの「自分の世界観というフィルターを通して、見て聞いて感じています。
それは経験を積めば積むほど、確固としたものになっていきます。

いいかえれば、信念、でもあります。
その信念、世界観を、あなたの体験を狭める枷にしてしまうかどうか。
それは、あなた次第です。

自分の知らない世界、知らない物事が無限に存在する。

それを常に忘れずにいるならば、新しい体験は、あなたを混乱させるものではなく、あなたの世界をさらに色彩豊かに、さらに大きく、育ててくれるものになります。

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きみこ★人生ナビゲーター
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