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トリミングします、クロップもします

トリミングしますか?

写真を楽しんでるみなさんにご質問です

「トリミングってよく使いますか?」

これは人それぞれだと思うのですが、わりと古くから写真を趣味にしていると「撮影の段階でトリミングの不要な構図を完成させること」を美徳と捉えることが少なくないように感じます
写真をSNSやブログなどに掲載する際にも「ノートリです」と附記されているのを見かけることもありますね。はい、すごいと思います、尊敬します

Ricoh GRIII 35mm相当にクロップ

私はですね、平気でトリミングします
だって理想的な構図で撮れないことってあるじゃないですか。どうやっても横に要らない標識が写っちゃって、移動しにくい場所とか。旅行中のスナップだと時間をかけて工夫するにも限度ってものがあります

トリミングどころか、「あ、このちょろっとはみ出した黄色いもの要らないな」とPhotoshopでゴシゴシと消すことも。だって報道写真じゃないし
撮影場所の制約だったり、単なる不注意だったりと理由はいろいろですけど、ちょっとトリミングすればすむものを気に病んでもしょうがないじゃん、と思っちゃうんですね

Ricoh GRIII 50mm相当にクロップ

クロップはどうだ

いくつかのカメラには、カメラ内トリミングともいうべき「クロップ機能」が備わってます
ようするに、撮影する範囲を切替ながら、擬似的に画角を変えられる機能ですね。すぐに思いつく範囲だと、RicohのGRIIIとか、Leica Q2、あとSigma fp Lなんかで使えます

私は貧乏性なので、もともと「使える画素を捨てて撮るくらいなら、あとでトリミングすりゃ良いじゃん」なんて思ってました。大は小を兼ねる

でも、GRIIIを発売の日に買って使い始めて、考え方が変わりました。君子じゃなくても豹変はできます
撮影時に構図がうまく整理できなくて「ダメだな」と思っちゃうことないでしょうか。私はよくあります。そんなとき、クロップしてみると意外にまとまったりするんですよ
これはトリミングした状態を見越して広いままで撮るのとはちょっと間隔が違います。目の前に撮れる絵が見えているので

Ricoh GRIII 28mm相当
Ricoh GRIII 35mm相当にクロップ
Ricoh GRIII 50mm相当にクロップ

2400万画素のGRIIIだと、一段クロップ(35mm相当)で1500万画素、二段(50mm相当)で700万画素です。前者は900万、後者だと1700万も捨ててます。お金ならゼッタイしません
でも、SNS投稿用とか、このnoteの記事で使うとかならば、700万画素で何の問題もないんですよね。私は大きくプリントして飾るわけでも、フォトコンに応募するわけでもないので、じつはそんなに画素要らない
むしろ、あの小さなカメラで、レンズを付け替えているがごとくに画角を変えながら写せることの快適さ便利さが遙かに上回りました。頭で考えてるのと、実際に使ってみるのとでは大違いです

画素数に関しては、もともと使っていたNikon D1(260万画素)やD2H(410万画素)の写真でも、使いどころによっては十分なのを実感していましたし、D300(1230万画素)ならば何の問題もないんですよ、実際
なので、700万画素じゃダメだ、などと思ったことないです

Ricoh GRIII 50mm相当にクロップ
Ricoh GRIII 35mm相当にクロップ

Leica Q2ほしかったんだけど

GRIIIでクロップ機能の便利さにすっかりクロップ者に豹変した私は、その後に登場したLeica Q2が気になってしかたありませんでした

4750万画素という高画素モデルのQ2だと、28mm/35mm/50mmに加えて75mm相当までのクロップが使えます。75mmで700万画素ということですから、GRIIIよりもひと段階使える画角が増えてます
え、だったら旅行なんてこれ一台持っていけばほぼカバーできるじゃない。防塵防滴だし、マクロモードだってあるし、しかもライカだし

Ricoh GRIII 50mm相当にクロップ

すぐにも飛びつく…わけにもいきません
だって70万円超ですよ。いや、世の中には70万円を安いと感じる人もたくさんいますし、ほしいと思ったら多少無理をしてでも手が出てしまう人もいるでしょう
でもまあ、私はそうではなかった、ということです。もしかしたら、これを買ってあと10年カメラは買いません、と宣言して頼み込んだら家庭内CFOの決裁はとれたかもしれませんけど、きっと破る約束をするのも気がひけました

Ricoh GRIII 35mm相当にクロップ

高画素が正義になるとき

見出しの字面を眺めて「高中正義みたい」とか思っちゃいました…それはそれとして

なんとなくモヤモヤとしているうちに「これでしょ」というカメラが登場
そうそう、上で挙げた「クロップ兄弟」の末っ子にして、画素モンスター「Sigma fp L」です
なんとなんと、6100万画素ですよ。そんな画素数、いったい何に使うのって、クロップするため以外に考えられません(いやそんなことはないでしょうけど)

Sigma fp L / 24mm F3.5 DG DN 1.53倍にクロップ

これだけあると、それはもうどんどんクロップできます
画角1.53倍のAPS-Cモードで約2600万画素、マイクロフォーサーズ並みの2倍で1500万画素、2.5倍で980万画素です。つまり24mmのレンズがあれば、37mm/48mm/60mmとして使えるんです。ちょっと画角が違うけど、Q2を超えました
いってみれば「6100万画素のフルフレーム」「2600万画素のAPS-C」「1500万画素のマイクロフォーサーズ」を同時に持ち歩けるようなもんです

Sigma fp L / 24mm f3.5 DG DN クロップなし

しかもこのカメラ、レンズ交換式です
Sigma fpと同時に登場していた標準レンズである45mmを使えば「45mm/69mm/90mm/113mm」に、90mmを使えば「90mm/138mm/180mm/225mm」です。なので、24mm/45mm/90mmの3本のレンズで「24mm〜225mm」という広大な画角がカバーできちゃう
HD動画であれば5倍までクロップしても画質に影響はありませんから、なんと450mmまでいけます。なんてことでしょう

Sigma fp L / 24mm f3.5 DG DN 2倍にクロップ

そんなわけで、去年(2021年)の4月から私の手許には「Sigma fp L」と、サイズ感もデザインもぴったりのIシリーズのレンズ3本(24mm/3.5、45mm/2.8、90mm/2.8)があります。あ、なぜか18-50mm/2.8も
トリミングはともかくとして、クロップを便利な機能として受け入れてしまえば、とてつもなくコンパクトで軽量なのに何本かのズームレンズを持ち歩くのと似たような撮影環境が整っちゃうのです
これからも、毎日楽しくクロップする所存です(たぶん、トリミングも)

Sigma fp L / 24mm f3.5 DG DN クロップなし
Sigma fp L / 24mm f3.5 DG DN 1.53倍にクロップ
Sigma fp L / 24mm f3.5 DG DN クロップなし


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