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涙の弓取り式

赤子が泣いている
もう声も枯れてしまって息苦しそうだ
家の中でこれだけ泣いていれば他のものは明るく振る舞ってくれる
悲しみと苦しみから解放させようと一通り試みるも何をしてもダメというより無駄と感じる時もある
やるべき事と思われる事をやってダメなら諦める、ま、ご機嫌にならないことだってある、しょうがないねとなる、泣いてくれ...泣いてくれ...なるほど
何が悲しいかはわからないから涙の弓取り式をしてくれていると思うことにした

弓取り式は相撲の全取り組みが終わった後に勝者の代わりに喜びの舞をしてくれるそうだ、赤子の涙や叫びはそれを代弁している弓取り式なのだ

だから泣きたいのはこっちだと嘆きはいらない、赤子が代わりに表現してくれていたんだ、理由がなくても過ごしていく

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