地域密着型介護における作業療法士の役割
高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるためには、さまざまなサポートが必要です。
その中でも、作業療法士の役割は重要で、地域の介護において欠かせない存在です。作業療法士は、高齢者が自立した生活を送り、日々の生活に喜びを見つけられるよう、自分らしさをサポートするためにさまざまな視点から支援を行っています。
この記事では、医療系任意団体「君がため」の作業療法士(OT)が専門的な視点から、地域密着型介護における作業療法士の役割についてわかりやすく解説します。
それでは「作業療法士」が地域の介護事情の中でどのように高齢者を支えているのか詳しくご紹介します。
作業療法士としての高齢者のサポート
生活をより良くするお手伝い(生活行為向上マネジメント)行政・地域包括センターとの協力
健康づくりの応援
作業療法士としての高齢者のサポート 地域包括ケアシステム
まず作業療法士として仕事の中心となっているのが「高齢者のサポート」です。
まず「地域包括ケアシステム」について解説しましょう。高齢者の方々が住み慣れた地域で、自分らしい生活を続けられるようにするための仕組みです。
作業療法士は、このシステムの中で重要な役割を果たします。例えば、高齢者が自分で食事を作ったり、お風呂に入ったりすることをサポートします。また、医師や看護師、ケアマネジャーなど、他の専門家と協力して、高齢者の方々の生活全般をサポートします。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは私たち作業療法士にとって、とても大切な概念になります。
高齢者が慣れ親しんだ地域で、自分らしく生活し続けられるようにするための仕組みです。
この仕組みは、医療、介護、住まい、生活支援、介護予防という5つの要素で構成されています。私たち作業療法士は、主に生活支援と介護予防の分野で活躍しています。例えば、転倒予防のための自宅環境の調整や、認知症予防のための活動プログラムの提供などですね。
(私達君がためでも、転倒予防、認知症予防のための活動プログラムを提供しています)
健康な地域づくりを目指して
しかし、課題もあります。高齢者人口が増加する一方で、私たち作業療法士を含む医療・介護の専門家が不足しています。一人でも多くの方をサポートしたいのですが、時間と人手が足りないのが現状です。
そこで、大切なメッセージをお伝えしたいと思います。それは、「高齢化社会で人手不足なこのご時世だからこそ介護が不必要で自分の足で年老いていける。こんな社会を作りたい」ということです。
まずは「自分の健康」から始めましょう。健康な地域づくりにはまず自分自信の健康が基礎になります。
そして、次のステップとしてそこからもう一歩踏み出し、たとえば周りにも目を向けてみませんか?地域全体で健康になっていくことで、素敵な取り組みができるはずです。
例えば、町内会単位で元気になる活動を始めてみるのはどうでしょうか。お隣さんに声をかけたり、地域のイベントに誘い合ったり。小さな行動から、大きな変化が生まれるかもしれません。そして、その輪が隣の町内会にも広がっていけば、もっと素晴らしいですよね。
私たち作業療法士を含む医療・介護の専門家は、皆さんの健康と自立をサポートしています。しかし、高齢者人口の増加に伴い、十分なケアを提供するのが難しくなっているのが現状です。だからこそ、地域全体で支え合う「地域包括ケア」の考え方が重要になってきています。
皆さん一人一人が、自分の健康に気を配りながら、周りの人にも少し目を向けてみる。そんな小さな心がけが、大きな変化を生み出す第一歩になるのです。
「老いることはかっこいい」そんな社会を一緒に作っていきませんか?皆さんの力で、健康で活力ある地域を築いていけると信じています。一緒に頑張りましょう。
生活行為向上マネジメント(MTDLP)とは?
次に「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」についてお話しします。
アルファベットで難しそうな名前ですが、かんたんにまとめると「あなたの『やりたいこと』を叶えるお手伝い」なんです。
作業療法士は、高齢者の方々が「したいこと」や「できるようになりたいこと」を聞き取り、それを実現するためのプランを一緒に立てます。例えば、「もう一度、自分で買い物に行きたい」という希望があれば、そのために必要なトレーニングや環境の調整を行います。
MTDLPって何?
簡単に例えるとMTDLPは私たち作業療法士の「魔法の杖」です。この杖を使って、日常生活の中の「困った」を「できた!」に変える手助けをします。例えば、「孫と一緒に公園で遊びたい」「自分で料理を作りたい」といった、皆さんの「やりたいこと」を実現するためのツールになります。
作業療法士は文字通り「自分らしく」生きられるようサポートするためにMTDLPを使うことで、やりたいことを中心に据えたリハビリプランを立てていきます。つまり、あなたが主役の舞台を作り上げるお手伝いをするわけです。
ここからが面白いところ。MTDLPは、PDCAサイクルという「計画→実行→評価→改善」の流れを使います。まるでレシピを作るように、皆さんの「やりたいこと」を実現するための手順を一緒に考えていくんです。
まずは、皆さんや家族の方からじっくりお話を聞きます。「何がしたいか」「どんなことに困っているか」など、心の奥底にある思いを引き出します。
次に、その思いを実現するための目標を設定します。「3ヶ月後に孫と公園で30分遊ぶ」といった具体的な目標です。
そして、目標達成のためのプランを立て、実行します。例えば、歩行訓練や体力づくりなどです。
定期的に進捗を確認し、必要に応じてプランを調整します。こうして、少しずつ皆さんの「やりたいこと」に近づいていくんです。
MTDLPと地域包括ケアシステムの関係は?
実は、MTDLPは地域包括ケアシステムとも深い関係があります。
地域包括ケアシステムが目指す「住み慣れた地域で自分らしく暮らす」という目標に、MTDLPはぴったりとマッチします。つまり、MTDLPを使うことで、皆さんが地域の中で生き生きと暮らせるようサポートできるんです。
介護予防
「介護予防」についてお話しします。「介護予防」って聞くと、なんだか堅苦しい印象がありませんか?
「転ばぬ先の杖」という言葉があるように、作業療法士は高齢者の方々が介護が必要になる前に、健康を維持するためのプログラムを提供します。
例えば、転倒予防のための体操教室を開いたり、認知症予防のための脳トレーニングを行ったりします。これらの活動を通じて、高齢者の方々が自信を持って生活できるよう支援します。
「人生の主役であり続けること」
介護予防の目的は、単に「介護が必要にならないようにする」ことではありません。その本当の目的は、皆さんが人生の主役であり続けること。自分らしく、誇りを持って生きること。そして、生きる喜びを感じ続けることなんです。
大切なのは、社会の中で役割を持ち続けること。つまり、「人生の舞台に立ち続ける」ことなんです。
小さな気遣いが大きな自信に
介護予防は、「ちょっとした助け」になる取り組みも多いです。日々の生活の中での小さな支援ですね。
例えば、買い物の付き添いや、家事の一部お手伝いなど。こうした「ちょっとした助け」が、実は皆さんの自信につながり、自立した生活を後押しするんです。
「年を取ったから」「もう遅い」なんて、決して思わないでください。人生は何歳になっても主役になれる素晴らしい舞台なんです。
このように作業療法士は、皆さんが生き生きと輝き続けられるようサポートしていきます。介護予防は、決して義務ではありません。それは、あなたの人生をより豊かに、より楽しくするための「魔法の杖」なんです。
まとめ
医療系任意団体「君がため」では、作業療法士(OT)をはじめ、言語聴覚士、理学療法士といったリハビリ専門資格を持っているメンバーが、専門的な視点から、高齢者・シニアに役立つ情報を発信しています。ぜひほかの記事もご覧ください。
団体名称:医療系任意団体「君がため」
公式HP:https://kimiga-tame.com/
SNS:https://www.instagram.com/kimiga_tame2023/
団体概要:医療系任意団体君がためは、主に介護予防や健康促進を目的とした活動を行っています。特に、認知症予防に焦点を当てた「納得☆健康塾」という健康教室を毎月開催しており、参加者に対して身体の使い方や介護予防法を実践的に学ぶ機会を提供しています。
ご連絡先:(君がため代表 日高) 080-4504-0408 / LINE
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